苦しみ抜いた最終予選の収穫
GKの権田修一にしても土砂降りの雨の中、スリッピーなピッチでボールをこぼすようなミスはなかった。CKからでジャンニ・ステンスネスに押し込まれながら、ファウル判定に助けられた前半25分の場面では唯一、判断の遅れが気になったものの、全体的に安定感のある仕事を見せたと言っていいだろう。
「今日も相手がプレッシャーに来て、グラウンドもぬかるんでいて、よくない状況でも、自信を持ってビルドアップに参加できたというのは、自分が2次予選からずっと代表チームで出続けて、やってきた成果なのかなと思います」と本人も安堵感を吐露した。
やはり、計算できる守護神がいなければ、最終予選と言えども5戦連続クリーンシートは達成できない。彼の背後に川島永嗣や谷晃生が控えているのを考えれば、GKも選手層が厚くなったと見てよさそうだ。
これだけ戦力が増えたのは、苦しみ抜いた最終予選の収穫と言っていい。この日はハイペースで飛ばしたオーストラリアが後半途中からペースダウンしたことも追い風になったものの、終盤5分間で2ゴールを奪って天王山を制すというのは過去の日本代表にあまり見られない光景。そこは特筆すべき点だ。