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【写真:Getty Images】
サッカー日本代表、チーム一丸でオーストラリア戦へ
サッカー日本代表は24日に行われるカタールワールドカップアジア最終予選のオーストラリア代表戦に向けてシドニーで合宿に入った。
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勝てばワールドカップ出場が決まる試合とあって、当然選手たちのモチベーションは高い。21日にオンラインで取材に応じたMF三笘薫は「この1試合にチームとしても個人としても命懸けで戦おうと思いますし、代表として未来が決まる試合だと思う」と決意を口にしていた。
DF山根視来も「現時点で大きなチャンスが目の前にあると思うので、自分のサッカー人生の中で一番大きな試合になる」とオーストラリア戦への強い意気込みを語った。他の選手たちもそれぞれが目の前の一戦の重要性を認識しているのは間違いない。
一方で、このモチベーションの高さが裏目に出てしまう可能性も考慮しなければならない。勝ってワールドカップ出場を決めることに集中するあまり、あまりにも試合に入れ込みすぎて、いつも通りの自分を見失ってしまう危険性もあるだろう。
29日にはホームでのベトナム代表戦が残っており、もしオーストラリア代表と引き分けてもワールドカップ出場の可能性は十分に残る。その意味では、ある程度「引き分けでも大丈夫」という油断に似た思考が頭の片隅に生まれるかもしれない。
大一番というのは、チーム内での意識の差が致命傷になりうる。モチベーションが高いのは素晴らしいし、気持ちに余裕を持って臨むことも大事だが、両方をバランスよく兼ね備えておくことが最も効果的だ。故にチーム全体のメンタルコントロールも試合に向けた準備における重要なポイントになる。
20日にオンライン取材に登場したGK権田修一は「昔からどの試合も優劣をつけるといいことがない」と、自らの経験を踏まえてオーストラリア戦に臨むにあたっての精神状態を次のように表現していた。
「これまで僕はアジア2次予選も親善試合も、試合の大小を特に感じることもなくやってきました。(2次予選の)最初のミャンマー代表とのアウェイゲームも、自分の中ではシビアな試合だったし、その後タジキスタンやキルギスに行って、本当にどの試合も自分の中ではビッグマッチでした。
僕にとっては昔からどの試合も優劣つけるといいことがないので、昨日(19日)のヴィッセル神戸戦までは神戸戦のことを考えて、それが終わって中4日で次はオーストラリア代表が相手だ、くらいの心境でいます。
不自然に意識してそうしようとしていない。(中略)自分の中でこうやって落ち着いて、普通に夜も寝れてご飯も食べれている、それくらい何も意識せずできていることが自分の中ではとてもいいことかなと思っています」
自分たちの積み上げてきたことに自信を持っていつも通りの力を発揮できるバランスの取れた精神状態を作ること。大一番で勝つためには戦術的なトレーニングのみならず、メンタル面の意思統一を図ることも重要になる。緊張感と余裕、この両方を持ってピッチに立てれば勝利の可能性はより高くなるはずだ。
権田は「どの試合も日本としての誇りを持って、相手を上回る、どこが相手でもそこに勝つということを目指してやるのが僕ら」だと語る。何か爪痕を残そうといつも以上に意気込む選手たちには、まずこの前提を思い出して戦ってもらいたい。
「森保さんが『いやもう、今回は引き分けでいいよ』という監督じゃないのは僕ら選手全員がわかっていますし、今までどこが相手でも、まずは相手じゃなくて自分たちというのをずっと要求してきて、ここまで来られている。僕は今回もそのスタンスでやりたいなと思っています。
いろいろなメンタリティの選手がいるかもしれないですけど、引き分けでOKとかどんなな状況であっても、とにかく最後には1つになって、同じところを見据えて戦えるのが日本代表の強みだと僕は思っているので、そこを今回も出せたらなと思っています」(権田)
ワールドカップに3度出場した経験を持つDF長友佑都は「この試合に勝ってワールドカップを決めたい。その気持ちだけです。引き分けはまったく考えず、勝ちにこだわってチーム一丸となって戦います」と語った。
過去のアジア最終予選でワールドカップ出場を決める試合を経験してきた選手たちには、チームが「日本代表の強み」を発揮できるように導く役割も果たしてもらいたい。このオーストラリア戦に勝つ経験は、三笘が「代表として未来が決まる試合」と言ったように日本代表の将来を支える財産になるものだ。
FW大迫勇也やDF酒井宏樹、DF冨安健洋、FW前田大然といった重要戦力の欠場が決まるなど不安要素もあるが、そうしたネガティヴな側面に左右されることなく、チームのメンタリティを最高の状態に磨き上げて試合に臨む日本代表に期待している。
(取材・文:舩木渉)
【了】