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リバプール、南野拓実が見せた「弱さ」。決勝ゴールの動き出しは見事だが、チームに生き残るには…【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 編集部 photo by Getty Images

勝敗を分けた一瞬の隙



 ″苦戦を強いられた″という表現をしたが、″精彩を欠いた″という方が適切かもしれない。なぜなら、ノッティンガムに決定機を作られる場面はあったが、リバプールは90分通して主導権を握り、ゴールに迫っていたからだ。

 サディオ・マネ、モハメド・サラーを休ませ、ルイス・ディアスをベンチに置いたリバプールは、いつもの縦に速い攻撃ではなく、細かくパスを繋いで試合をコントロール。守備では前線からプレスをかけてボールを奪い、28分にはロベルト・フィルミーノが裏へ抜け出して決定機を迎えた。

 その8分後には、右サイドのファビーニョから逆サイドのジョタへロングボールを送り、ヘディングで折り返したところにコスタス・ツィミカスが飛び込むなど、4-4-1-1の引いた守備を敷いてきた相手から再三チャンスを作り、前半だけで8本のシュートを放った。

 ゴール前で精彩を欠いたリバプールは後半も決められない時間が続いたが、試合終盤には勝負強さを見せる。

 78分、南野がニアサイドに走り込んだことでDFが釣られると、ファーサイドに残っていたジョタを見逃さなかったツィミカスが鋭いクロスを入れる。これをジョタが右足で触り、決勝ゴールを決めた。

 後半アディショナルタイムには、ノッティンガムも絶好のチャンスを作れていた。だが、決められなかった。

 ほんの一瞬の隙だった。南野がファーサイドから走り込んだことでニアサイドにいたDFが釣られ、ジョタをマークしていたCBも指示を出すのに一瞬気を取られた。ツィミカスがここまで見れていたのかはわからない。だが、この一瞬の隙を制する勝負強さが勝敗を分けたといえるだろう。

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