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もはや手がつけられない! バルセロナ、ペドリが持つ感覚とは? 「覚えているのはそれだけ」と語ったのは…【EL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

もはや手がつけられないMF

ペドリ
【写真:Getty Images】



 それが、MFペドリである。

 37分、背番号16はボックス内でフェラン・トーレスからパスを受けると、巧みなキックフェイントでDF2人を滑らせ、最後はグラウンダーのシュートを突き刺す。19歳とは思えぬ落ち着きぶりと技術力が融合して生まれた、まさにワールドクラスのゴールだった。

『UEFA.com』によるとペドリは試合後、このゴールシーンについて「シュートしようと思ったけど、それをダミーにしてスペースができるまでもう1度フェイクを入れた。覚えているのはそれだけ。ピッチの上ではそんなに考えなくても、物事が浮かんでくるのはラッキーだったよ」と振り返ったよう。「ピッチ上ではそんなに考えなくてもいい」というのは以前、バルセロナOBのアンドレス・イニエスタも同じようなことを語っており、これぞ本当の“サッカーセンス”と言えるのかもしれない。いずれにしても、この得点はアウェイチームにとって大きすぎた。

 難しい状況の中でチームに1点をもたらしたペドリは、後半開始早々に生まれた逆転弾にも絡んでいる。もちろん得点以外のシーンでも存在感は絶大で、68分には思わず「上手い!」と言ってしまうほど芸術的なダブルタッチでタイラン・アンタリアリを無力化している。このようにボールを持てば何かしてくれる19歳は、もはや手がつけられなくなっていると言えるだろう。

 データサイト『Who Scored』によると、この日のペドリはシュート数両チーム最多の6本、ドリブル成功数同2位の3回、タックル成功数同1位タイの4回などを記録していたそう。ピッチ上に背番号16がいなければ逆転劇は起こらなかったかもしれない、と思ってしまうほどのスタッツだ。

 異様な雰囲気に包まれたトルコの地で貴重な勝ちを奪ったバルセロナは、そのままマドリーとのエル・クラシコに臨む。そこでももちろん、至宝ペドリの活躍は求められるだろう。

(文:小澤祐作)


【了】

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