マンUが狙うべきだったアトレティコの弱点
では、マンUは勝つためにどうするべきだったのか。
アトレティコが中央を固めていたため、サイドからの攻撃が間違っていたわけではない。エランガは前述したような決定機に加え、後半開始早々にもB・フェルナンデスとの連係からゴールに迫っていた。
3分の場面はダロトのクロスだったが、13分と46分のチャンスの場面では共通して裏に抜けていたところがある。それが左ウイングバックとCBのギャップだ。
13分の場面では、クリスティアーノ・ロナウドが右サイドでボールを持ってウイングバックを釣りだし、空いたスペースにB・フェルナンデスが走り込んでチャンスを演出していた。
さらに46分の場面では、エランガがタッチライン際まで出ることで相手DFを引き付け、空いたスペースに入ったB・フェルナンデスが落としたボールを拾ってシュートまで持ち込めていた。
相手DFを左右に振り、サイドにスペースを作ってクロスを上げるのではなく、中盤もしくはサイドバックの選手がこのギャップを狙って飛び出す。よりこのスペースを活用できていれば、サイドで停滞せずにポケットまで侵入し、チャンスを作ることができたはずだ。
単純なクロスではC・ロナウドがCB3人を相手にすることになるが、ポケットまで侵入出来れば少なくともCB1人は引き付けられる。至近距離からのグラウンダークロスであれば、オウンゴールの可能性もあった。
いずれにしてもマンUはこれでCL敗退が決定。プレミアリーグでは現在5位のため、このまま攻撃面に改善が見られなければ、来季のCL出場は難しいだろう。
(文:阿部勝教)
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