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アイデアがなかったマンチェスター・ユナイテッド。なぜ引いたアトレティコを崩せなかったのか? 【欧州CL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 編集部 photo by Getty Images

アイデアのない攻撃



 前述したように3分には、ディオゴ・ダロトのパスにエランガが飛び込んでヘディングシュートを放った。13分には、右サイドを抜け出したB・フェルナンデスのクロスにエランガが合わせる場面があったが、90分通してビッグチャンスを作れたのは、77分の場面を含めた3回のみだった。

 アトレティコは守備時にジョアン・フェリックスを最前線に残し、アントワーヌ・グリーズマンを中盤まで下げて5-4の2ラインで守備を形成。前線からはあまり強くプレスに行かず、全体的に中央に絞って引いた守備を行っていた。

 そのため、マンUはピッチを広く使い、両サイドにボールを振って相手DFを揺さぶった。しかし、サイド攻撃でボールを持った後のアイデアが何もなかった。

 サイドの深い位置までは持ち込めるが、サポートに来るのはサイドバックかB・フェルナンデスのみ。アトレティコはサイドでボールを持った相手に対して、ウイングバックと中盤の2枚で対応したため、マンUは常に数的不利か同数の状況を作られ、容易にクロスも上げられない。

 1点をリードされてからは、アトレティコが前に出てこないためカウンターも仕掛けられない。数的不利の状況では個人技での突破も難しい。最終的にマンUはエディンソン・カバーニを投入したが、サイドを崩す方法は何もなく、改善されないまま試合は終了した。

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