リバプールの新たなトリデンテ
リバプールはこれまで、圧倒的なスピードを持つマネとサラーを両ウイング、ロベルト・フィルミーノやディオゴ・ジョタといった、ゲームの組み立てに関与できる選手を中央に置く3トップを形成していた。
しかし、ルイス・ディアスが加入したことにより、マネが3トップの中央にポジションを変更。全員が圧倒的なスピードを持つ新たなトリデンテは、これまでとは少し異なる強さを見せている。
中央のマネが後方からパスを引き出し、攻撃の起点となって両ウイングが相手の裏を狙う。基本的にやっていることはこれまでとあまり変わらない。だが、マネはフィルミーノやジョタのように中盤まで下りてゲームメイクへ関与するのではなく、シンプルなポストプレーで攻撃の起点となる。ここがこれまでとの一番の違いだ。
前述したようにPKを獲得した場面では、マティプのクリアボールを拾ってヘンダーソンに落とし、そこからロングパスでルイス・ディアスが裏へ抜けている。この他にも同様のプレーで常に攻撃の起点となっていた。
基本形はマネが中央だが、似た特徴を持った両ウイングとポジションを変えても全く遜色ない。今の3トップは誰がどこにいても相手の脅威となれる。
リバプールの新たなトリデンテはここから得点を量産し、同クラブを逆転優勝に導けるだろうか。
(文:阿部勝教)
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