ユナイテッドにとって“悪夢”だった後半
後半を通じて両チームは全くと言って良いほど対照的なチームだった。まず、後半のスタッツから紹介するとシティは14本のシュートを放ち、マフレズの2ゴールで2点を追加。対するユナイテッドは、ゴールはおろか、シュートを1本も打てずに試合終了のホイッスルが鳴った。ボール支配率も61%(前半)から79%(後半)に上昇したことからも明らかな通り、試合は完全にシティが掌握した。
ラングニック暫定監督は、前半はある程度拮抗した戦いができていたと言いつつ、「後半は明らかに両チームの差が出た。難しい試合であり、差を埋めるには長い道のりがあるということを示した」と完敗を認めざるを得ない展開だった。
ラングニックが語った通り、この試合を通じて両チームには様々な「差」が見えたが、特に顕著に「差」を感じたのがプレスの精度だ。シティの選手が「組織的」にかつ、「連動性」をもって相手CBやGKに効果的なプレスを掛けてボールを積極的に奪いに行っていたのに対し、ユナイテッドは個で中途半端なプレスを掛けるに留まり、最終ラインの押し上げもできていないため、中盤は間延びしてしまっていた。
後半に関しては80%近くボールを支配されてしまったため、ハイプレスを掛け続けることは困難であることは間違いないが、周りの選手と連動せず中途半端に前にプレスを掛けることで、アイメリク・ラポルテやエデルソンなどビルドアップに絶対の自信を持つ選手たちにことごとく空いたスペースにパスを通されていた。シティの後半のパス成功率が95%を記録していることが、ユナイテッドのプレスが有効的ではなかったことを物語っている。