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ロシアがウクライナへの侵攻を始めてから約1週間。状況は刻一刻と変わっていくが、侵略行為の終結は見えてこない。そんな中、ウクライナ政府は国家総動員令を発令し、60歳までの成人男性に90日以内の軍招集の可能性と出国禁止を通達した。となれば、サッカー選手にも軍に入隊している者がいるのではないか。そこで友人の力を借りて、今年1月までスペインでプレーしていたGKニキータ・フェドトフから話を聞くことができた。開戦初日からウクライナ軍に志願した21歳の若者は、どんな思いで祖国のために戦っているのだろうか。(取材・文:舩木渉、協力:ホセカ・デュラン・デルガド)
ロシアのウクライナ侵攻、サッカー界にも影響
世界秩序のバランスが、今まさに崩壊しようとしている。のちに歴史の教科書の1ページとなるであろう国際安全保障のかつてない危機を、我々は目撃しているのである。
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ロシアがウクライナに侵攻し始めてから1週間以上が経過した。世界中のニュースはロシアのウラジミール・プーチン大統領の暴走とも言える非情な侵略行為の話題で持ちきりだ。21世紀になってから世界中で数々の紛争が起こってきたが、これほどの危機を身近に感じたことがあっただろうか。
この“プーチンの戦争”の影響は、サッカー界やスポーツ界にも大きな影を落としている。ロシア代表とベラルーシ代表の選手たちは、まもなく開幕する北京パラリンピックに出場できなくなった。他のスポーツでもロシア国籍選手たちの締め出しが相次いでいる。
サッカー界でも国際サッカー連盟(FIFA)と欧州サッカー連盟(UEFA)が動き、ロシアリーグのクラブとロシア代表が両連盟主催の国際大会から排除されることとなった。ロシア第二の都市・サンクトペテルブルクで予定されていたUEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝の開催地も、フランスの首都・パリへと変更になった。
そして、ウクライナではプロサッカー選手が戦争の犠牲になったことも明らかになった。国際プロサッカー選手会(FIFPro)の発表によれば、ウクライナ3部のFCカルパティ・リヴィウに所属していた21歳のヴィタリー・サピロは同国軍の一員となり、首都キエフ近郊で起こったロシア軍との戦闘で命を落としたという。FCホストメルに所属していた25歳のドゥミトロ・マルティネンコは、ロシア軍の爆撃によって自宅マンションを破壊された際に亡くなった。
「僕の知る限り、戦地に向かったウクライナ人サッカー選手は5人いる」
そう明かしてくれたのは、自らも地元ドニプロでウクライナ軍に志願した21歳のニキータ・フェドトフだ。