川崎フロンターレを相手に結果を「どうやって出したか」
マルコス・ジュニオールも積極的な仕掛けを繰り出していた。雑に伸びてきた髪型はともかくとして、リーグを盛り上げた3年前の姿を彷彿とさせる。ピッチ中央では喜田拓也と岩田智輝が見事にプレーをコントロールし、マリノスは完全に試合の主導権を握っていた。73分に知念慶のゴールでフロンターレが1点を返そうとも、勝ち点の行方には微塵の疑いも感じられなかった。
まさにその通り、5分後には仲川が彼とマリノスの自信のほどを強烈に見せつける。笑ってしまうほど素晴らしい弧を描いたシュートをトップコーナーへ叩き込んで試合を決定づけた。
「結果が非常に大事であることも分かっているが、その結果をどうやって出したかを理解することも我々にとっては重要だ。いつも言っているように、自分たちのやり方で本来の力を発揮することができれば、どんな試合であれ常に勝てるチャンスはある」とマスカット監督は試合後の会見で語った。
シュート数は川崎を1本上回る15本。そして王者に対して54%のボール支配率を残したというのが、今回の結果を「どうやって出したか」という部分だった。フロンターレも無敵ではないことが分かり、また下馬評の高かった浦和レッズやヴィッセル神戸がスロースタートを切っている中で、まずは順調に飛び出したことをマリノスは喜んでいいだろう。
日曜日にはアウェイで柏レイソルと対戦し、続いてヴィッセル、清水エスパルスと立て続けにホームゲーム2連戦。マリノスが現在の調子を維持できれば、J1序盤戦のペースメーカーとなる可能性も十分にありそうだ。
(※一部のデータはFootyStatsを参照)
(取材・文:ショーン・キャロル)
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