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アーセナルはなぜ試合を支配できたのか? 引いた相手の守備陣を苦しめた方法【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 編集部 photo by Getty Images

アーセナルが狙ったスペースとは…



 前述したようにこの試合でアーセナルは24本ものシュートを放った。ここまで多くのチャンスを作れていたのは、ブレントフォードの穴を的確に突けていたからだ。

 それがゴールエリアの両脇の″ポケット″と呼ばれるスペースだ。

 ブレントフォードは守備時に最終ラインに5人、その前にMF2人と、守備に人数をかけていた。サイドでサカやスミス=ロウがボールを持った際には必ず2人でプレスに行き、必ず数的優位を作っていた。

 だが、サイドで数的優位を作ることでCBとの間にスペースが生まれる。アーセナルはこのスポットに何度も侵入していた。

 7分の場面では、右サイドでサカがボールを持ち、ウーデゴールがサポートへ来たところにブレントフォードは3人で対応した。すると、サカがボールを預けてポケットへ走り、ウーデゴールがスルーパスを通す。空いたスペースに侵入したことで、数的不利から決定機を作った。

 さらに12分の場面では、今度は右サイドに相手3人を引き付けてから逆サイドに展開。前述の通りオフサイドによりゴールは認められなかったが、ポケットでフリーなっていたティアニーのクロスからラカゼットがゴールネットを揺らした。

 チームとしての狙いがはっきりし、相手の穴を的確に付いたことで、アーセナルは多くのチャンスを作れていた。

 これを格下だけでなく、上位陣にも行うことが出来れば、アーセナルはチャンピオンズリーグ(CL)圏内のトップ4に食い込むこともできるだろう。

(文:阿部勝教)

【了】

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