バルセロナの問題は…
先述した通り、バルセロナはこの日、計21本ものシュートを放っているなどナポリの守備を忙しくさせた。とくに後半の勢いは凄まじく、ガビ、デンベレ、セルヒオ・ブスケッツが投入された65分からはよりボールの動きが潤滑になり、怒涛の攻撃を見せている。
バルセロナが後半になってさらにナポリを押し込めた理由は二つだ。まずは、プレスの強度を高めたこと。そして、それを受けたナポリが思った以上に引いたことである。事実、試合後にスパレッティ監督は「後半は腰が引けてしまったので、改善しなければならない」とコメントを残している。
それでもバルセロナはフェラン・トーレスのPKによる1点しか奪うことができなかった。ここに関してはナポリの守備を褒めるというより、単純にバルセロナの決定力不足が原因と言わざるを得ないだろう。
とくにF・トーレスは散々だった。PK含め、この日は一人で9本ものシュートを放ったが、枠に飛んだのはPKの1本のみ。フリーでフィニッシュを迎えることも多々あったが、どうにも当たっていなかった。試合後には責任を感じ涙も流したようだが、結果としてナポリを助け続けてしまうことになっている。
勝てる試合で勝ち切れず、細かなところで後悔が残る形となったバルセロナ。ただ、全体的には好印象だったので、2ndレグに期待したいところ。今度はきっちりとナポリを仕留められるか。
(文:小澤祐作)
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