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ラングニック采配がマンチェスター・ユナイテッドを変えた。前後半で全く異なるチームになった理由とは?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

ラングニックの采配が的中した後半


 スコアレスで折り返した前半から一転、後半開始早々の51分に試合が動く。

 後方からボールを保持してパスを展開しようとしていたビスマに対し、スコット・マクトミネイとブルーノ・フェルナンデスがプレスをかけてボールを奪うと、こぼれ球を拾ったクリスティアーノ・ロナウドがペナルティエリア前までドリブルで仕掛けて右足を一閃。相手GKが一歩も動けない完璧なコースにシュートが決まり、ユナイテッドが先制に成功した。

 また、試合が再開した52分にアンソニー・エランガがルイス・ダンクへとプレッシャーをかけてボールを奪うと、ダンクは思わずエランガを倒してしまった。初めはイエローカードというジャッジだったが、OFR(オンフィールドレビュー)の末にレッドカードへと判定が変わり、1点ビハインドのブライトンは残り約40分を数的不利で戦うこととなった。

 この一連の2つのプレーはラルフ・ラングニック暫定監督が、システムとプレスの掛け方の変更を指示したことから生まれたものだった。

 試合開始直後はマクトミネイをアンカーに置く、4-1-4-1の形で守備をしていたが、相手CBにプレスをかけることができず、余裕をもって最終ラインからボールを繋がれていた。プレスを掛けてもボールを奪えなかったので、ブルーノ・フェルナンデスにビスマをマンマークさせる形に変更した。

 また、両翼のジェイドン・サンチョとエランガには相手CBにプレスを掛けるタスクを与え、両SBもそれに連動して高い位置でプレスを掛けるように変更した。

 前後半で全く異なるプレスの掛け方にブライトンの最終ラインやアンカーのビスマは混乱し、不用意なボールロストから立て続けに失点と退場者を出してしまった。

 ラングニックの戦術変更がハマり、後半早々に数的優位となったユナイテッド。しかし、これまでの数試合同様に立て続けに追加点を奪って試合を終わらせるクオリティは持っていなかった。

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