シャビ監督は「転換点になるかも」と言ったが…
負傷したCBアラウホが前半だけで退いたこともあり、嫌な流れで後半に突入したバルセロナ。ワントップのフェラン・トーレスもあまり目立たず、攻撃はトラオレの仕掛けに依存しがちで、依然として単発的な攻撃が続く。62分にフレンキー・デ・ヨングに代えてピエール=エメリク・オーバメヤンを投入したが、今冬に加入した新参FWは、コンディションが上がっていないようだ。
かえって前線の守備の強度が落ちたバルセロナは、エスパニョールに後方からのビルドアップを許し、中盤からダルデルにロングボールを蹴られ、裏に抜け出したラウール・デ・トマスに胸トラップから逆転弾を叩き込まれた。
こうしてアトレティコ戦が“一夜の夢”だったかのように苦しむシャビ監督は、72分にウスマン・デンべレ、88分にルーク・デ・ヨングを投入して前線に厚みを持たせ、後半のアディショナルタイムにようやく追い付くのである。
もちろん今季のバルサを振り返れば、なかなかアウェイで勝ち切れないことは、何も珍しいことではない。しかし、このエスパニョール戦は、シャビ監督自身が「転換点になるかもしれない」と評したアトレティコ戦の後だっただけに、少し失望したクレの方々も少なくなかったのではないか。
中盤で安定した即時奪回からのポゼッションを実現できず、終盤に掛けてはトラオレからのクロスに頼りがちで、ルーク・デ・ヨングの高さで追い付く――。その様子は、どこかロナルド・クーマン前政権を彷彿とさせるものだった。
なぜ、バルサはカンプ・ノウが喜びに沸いた前節のアトレティコ戦から、一転して低調に陥ったのだろうか。