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旗手怜央は「MF界のロールス・ロイス」。井手口陽介も復帰、17戦無敗のセルティックはポジティブな収穫だらけ【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 舩木渉 photo by Getty Images

試合の流れを変えたのは…

前田大然
【写真:Getty Images】



 実際、前半は停滞感が強かった。主導権は握っているものの、なかなかゴール前で決定的なチャンスを作れず、簡単にボールを失ってカウンターを食らう場面もしばしば。GKジョー・ハートが難しいバックパスを受けてバタつくシーンも多かった。

 2部のレイス相手に奪ったゴールは23分にスケールズが記録した1つだけ。ポステコグルー監督もハーフタイムのロッカールームで雷を落としたことだろう。怒鳴り散らしている姿が目に浮かぶ。ただ、前半がてんでダメでも後半になって見違えるように改善するのが、ポステコグルー監督のチームでもある。

 大きく流れが変わったのは55分にFWジョタが投入されてからだ。負傷離脱中にMF旗手怜央やFW前田大然が台頭してやや影の薄くなっていたポルトガル人アタッカーは、復帰して徐々に輝きを取り戻す過程で、改めて存在価値の大きさを示した。彼がピッチに立つと、セルティックはより支配的にゲームを進めていくようになる。

 そして68分、旗手からのスルーパスを受けて左サイドを突破すると、ジョタは鋭い折り返しでFWゲオルギオス・ジャコマキスのゴールをアシスト。さらに1点を追加して迎えた87分には相手DFのペナルティエリア内でのハンドを誘うシュートでPKを獲得した。それ以外の場面でも左サイドで果敢にドリブル突破を仕掛けるなど、躍動感あるパフォーマンスでセルティックに勢いをもたらした。

 日本人選手たちもジョタに負けず劣らずのプレーを披露した。69分から途中出場したFW前田大然は、その約2分後にコーナーキックからゴールネットを揺らし、セルティックでの公式戦3得点目を奪った。

 味方が頭で逸らしたボールに反応して放った一度目のヘディングシュートはGKに当ててしまったが、跳ね返りが再び自分の頭のところにきて、ややラッキーな形で押し込むことに成功。日本代表招集のため約2週間の離脱期間がありながら、セルティック加入から約1ヶ月半で公式戦6試合に出場して3得点は上々の数字と言っていいだろう。

 リーグ前半戦にFW古橋亨梧が大ブレイクして日本人選手に対する期待のハードルはだいぶ上がった印象だが、前田はJリーグ得点王らしく自信に満ち溢れたプレーでファン・サポーターからの期待に応えている。

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