C評価
北海道コンサドーレ札幌
監督:ミハイロ・ペトロヴィッチ
昨季順位:10位
ミハイロ・ペトロヴィッチ監督はクラブ史上最長となる5年目のシーズンに挑む。4位で終えた1年目以外はいずれも2ケタ順位でシーズンを終えている。チャナティップは多額の移籍金を残してJリーグ王者に加わった。戦力的には大きな痛手となり、この穴をどう埋めるかがポイントになりそうだ。
ジェイとキム・ミンテがチームを離れたが、昨季の先発試合数がともに7試合で、大きなマイナスにはならないだろう。昨夏のアンデルソン・ロペスの移籍は痛手だったが、小柏剛が日本代表に選出(けがのため辞退)されるまでに成長。注目すべきは、名古屋グランパスを契約満了となったガブリエル・シャビエルの獲得だ。ミシャサッカーを熟知する興梠慎三とともに攻撃陣を牽引すれば、悲願のAFCチャンピオンズリーグ出場という目標も視界を捉えてくる。
近年は大卒選手の活躍が目立つ。田中駿汰、金子拓郎、高嶺朋樹の大卒2年目トリオは主力に定着し、昨季は1年目の小柏もブレイク。筑波大学から加入した井川空は複数のポジションをこなし、立正大学から加入した田中宏武はサイドで切れ味鋭いドリブルを見せる。彼らの成長が1桁順位フィニッシュの条件になるかもしれない。
サンフレッチェ広島
監督:ミヒャエル・スキッベ(新任)
昨季順位:11位
城福浩から沢田謙太郎を経て、ミヒャエル・スキッベに指揮官のバトンは渡された。城福政権は2位、6位、8位、11位と下降の一途を辿ったが、今オフも大きな動きを見せることなくシーズンが始まりそうだ。
昨夏に川辺駿が欧州に渡ったが、この冬は主力クラスが全員残留している。新たに加わったのは5人で、ユースから棚田遼が昇格、流通経済大学から仙波大志と満田誠を加えた。残る2人は野津田岳人と川村拓夢で、期限付き移籍からの復帰組だ。川村は愛媛で8得点をマークし、満田は大学でも屈指のドリブラーと評される。若い選手たちが大きく化ける可能性はある。
指揮官はブンデスリーガでも指揮を執った経験がある。ドルトムントの育成年代でも要職を務めており、若手のブレイクスルーには期待できる。しかし、新型コロナウイルスの影響で指揮官の合流が遅れている。これがチーム作りに響くようだと、昨季より苦しい戦いを強いられるかもしれない。
セレッソ大阪
監督:小菊昭雄
昨季順位:12位
昨年8月に就任した小菊昭雄監督の下でセレッソ大阪は2022シーズンに臨む。新加入選手は10人を超え、大幅に刷新されたチームで上位進出を狙う。
現役引退した大久保嘉人がいた最前線には、期限付き移籍という形で2年ぶりに復帰したブルーノ・メンデスやファジアーノ岡山で13得点を挙げた上門知樹が加わった。日本代表にも選ばれた瀬古歩夢と坂元達裕の移籍はマイナスになるが、ブラジル出身のジェアン・パトリッキに加え、モンテディオ山形で6得点8アシストという結果を残した中原輝が加入。J1初挑戦となる中原や上門がブレイクしなければ、昨季の47得点という数字を上回ることは難しいかもしれない。
藤田直之、高木俊幸、松田力ら30代の選手が去り、先述の上門、中原に加え、鈴木徳真、毎熊晟矢といった伸びしろのある選手たちが加わった。松田陸、丸橋祐介という両サイドバックは不動だが、毎熊と日本代表経験のある山中亮輔が加入したことで層の厚さも生まれた。近い将来に希望が持てる補強ではあるが、今季に絞れば未知数な部分も多いだけに、C評価が妥当ではないだろうか。