2022シーズンのJリーグ開幕が近づいている。各クラブはそれぞれが目指す目標に向かって戦力を整え、開幕に向けて準備を進めている。今回は、J1リーグ全18クラブの戦力をA~Eの5段階評価で評価した(※情報は2月2日時点)。
A評価
川崎フロンターレ
監督:鬼木達
昨季順位:優勝
リーグ戦の試合増加とAFCチャンピオンズリーグに加え、東京五輪開催による過密日程をものともせず、昨季は連覇を達成した。夏には田中碧、三笘薫、シーズン終了後には旗手怜央が海を渡ったが、このオフにはその穴を埋める人材を獲得している。
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新加入選手の中でも目玉は、やはりチャナティップだろう。28歳という脂の乗った年齢で加入した攻撃的MFは、国内史上最高クラスとも言われる移籍金で北海道コンサドーレ札幌から加入した。さらには、横浜FCから獲得した瀬古樹は、豊富な運動量とポリバレント性で中盤に厚みをもたらす。
U-18から昇格した五十嵐太陽は、田中碧や板倉滉らと同様にジュニア年代からフロンターレでプレーしてきた生粋の生え抜き。さらに、佐々木旭は大学屈指のタレントで、松井蓮之はU-22日本代表にも選出された万能型MF。大卒ルーキーの2人が昨季の橘田のように出場機会を伸ばすことができれば、3連覇が見えてくる。
横浜F・マリノス
監督:ケヴィン・マスカット
昨季順位:2位
昨夏、横浜F・マリノスにリーグ優勝をもたらしたアンジェ・ポステコグルーがセルティックの監督に就任し、ケヴィン・マスカット監督が後を継いだ。川崎フロンターレの連覇を阻止することはできなかったが、3位に6ポイント差をつけての2位は評価すべきだろう。
得点王・前田大然が前指揮官の後を追ってスコットランドへ渡った。前線は前田に加え、オナイウ阿道も昨夏にチームを去ったが、西村拓真が加わった。町田ゼルビアで10得点10アシストをマークした吉尾海夏も期限付き移籍から復帰。マルコス・ジュニオールと仲川輝人という得点王経験者、エウベル、レオ・セアラもいる。抜けた穴は大きいが、彼らが実力通りの結果を残せば埋まらないこともない。(2月2日時点で)チアゴ・マルチンスの移籍が濃厚になったが、サガン鳥栖のエドゥアルドを獲得したことで、その傷は最小限に抑えられるのではないだろうか。
扇原貴宏が抜けた中盤には藤田譲瑠チマ、ティーラトンや和田拓也が抜けたサイドバックには永戸勝也、小池裕太が加入している。19年にリーグ最多アシストを記録した永戸や小池は、ともにマリノスのスタイルにフィットしそうな人材だ。大きな戦力アップとは言えないものの、各ポジションに的確な補強を施した。今季も川崎F最大の刺客であることに異論はないだろう。
浦和レッズ
監督:リカルド・ロドリゲス
昨季順位:6位
「3年計画」を掲げたラストイヤーに向けて、浦和レッズは大幅な戦力入れ替えを断行した。長年に渡ってチームを支えてきた槙野智章、宇賀神友弥、興梠慎三がチームを去り、汰木康也、田中達也、山中亮輔も新天地へ赴いた。しかし、主力とメンバーは残留しているため、戦力ダウンとはならないだろう。いずれにせよ、結果が求められる年になることは間違いない。
バランスの取れた補強となった。経験のある犬飼智也と岩尾憲は計算が立つ補強で、それぞれのポジションに厚みを加えることになるだろう。育成組織出身の松尾佑介やJ2水戸ホーリーホックでブレイクした松崎快は将来性のあるアタッカーで、最終ラインにも若い知念哲矢や大畑歩夢が加わった。ダヴィド・モーベルグが来日できていないのはマイナス材料だが、タイトル争いにも加わることも可能な戦力ではないだろうか。
ヴィッセル神戸
監督:三浦淳寛
昨季順位:3位
熾烈だった3位争いを制したヴィッセル神戸。出入りの少ないオフになったが、各ポジションに実力者を加えることに成功している。川崎フロンターレと横浜F・マリノスの牙城は高いが、両者に挑戦することも可能な陣容と言える。
トーマス・フェルマーレンが去った最終ラインには、浦和レッズから槙野智章が加入。ドウグラスの退団は大きな穴にならないだろう。扇原貴宏の加入は山口蛍とセルジ・サンペールの負担減にもつながる。汰木康也は貴重なサイドアタッカーで、チームにフィットすれば攻撃のバリエーションは確実に増える。
タイトルを争える戦力を有しているが、ベテランも多く、柱となる選手たちが欠けると苦しくなる。AFCチャンピオンズリーグを含めた過密日程を戦い抜くための、三浦淳寛監督の起用法もカギを握るだろう。