中盤トリオが持つ強み
後半もその安定感が崩れることはなかった。中盤の田中から遠藤にダイレクトでつながり、右の伊東に展開。エリア内の南野とのワンツーを経て、最終的に大迫につないだ後半12分の決定機なども、リズミカルなパス交換の成果だった。最後のシュートを大迫が外したのはいただけないが、こういう流れを演出できるのも中盤トリオの強みだ。
直後に大迫と長友が下がり、前田大然と中山雄太が登場。中山の精度の高いクロスから伊東のダメ押し点が生まれることになるが、それも中盤でしつこくボールを回し続け、相手の体力を奪った結果、ゴール前がポッカリ空いたのが大きかった。
この1点がなければ、イエローカードを1枚もらっていた遠藤を休ませることもできなかったし、終盤に久保建英をトップ下に置いた4-2-3-1を試す機会にも恵まれなかった。伊東の高度な決定力には賛辞を贈るしかないが、それを演出していた遠藤らの距離感やバランス感覚も高く評価すべきではないか。
実際、遠藤が下がった後、2ボランチを組んだ守田と田中の連係は全く問題なかった。もともと川崎フロンターレで共闘している蓄積と経験値があるから、そのくらいやれて当たり前なのかもしれないが、万が一、遠藤を欠いた時も彼らがいれば戦えることを示してくれたのは大きい。
それは守田、田中の一方が不在でも言えること。昨年10月のオーストラリア戦からの4試合中3試合をこの3人で戦ったことによって、3人がそれぞれ相互補完できる関係が確立されつつあるのは前向きなポイントだ。