ブレることのないサッカー観
――マリノスで出場機会が少ないから移籍するわけではない。
「今のマリノスのスタイルは自分が生きるサッカーだと思いますし、やっていて楽しいので、そこに対して不満は何もないです。けど、今年また1年マリノスにいても、昨年とあまり変わらないんじゃないかとは何となく感じていました。
選手としての価値が下がってしまっている自分の現在地も理解しているので、『昨年と同じだったらヤバい。ここで一度刺激を入れないとダメになる』という危機感が強くありました」
――ロケレンでインタビューした際に「常にピッチ上の22人で一番うまい選手でありたい」とおっしゃっていました。その考え方がブレないからこそ、マリノスやJリーグで最高の選手になるためにもう一度厳しい環境で自分を叩き直そう、と。
「そうですね。その考え方はブレていません。一方で、自分がいまひとつ突き抜けられていないのも感じています。もっとできるのに出しきれていないというか、中途半端なまま終わっているというか。
他の選手が自分と同じ状況になった時に、海外に移籍する選択肢を取るかといったら、取らない選手が多いと思うんですけど、ここでチャレンジするのが自分らしいのかなと。サッカー人生は一度きりなので、行かない後悔はしたくない。何が正解かは本当にわからないので、この決断を自分の力で正解にするしかないと思っています」
(取材・文:舩木渉)
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