なぜ韓国へ? 昨季まで横浜F・マリノスに所属していたMF天野純の移籍報道が出た時、多くのファン・サポーターが疑問を抱いただろう。だが、2022年1月8日に蔚山現代FCへ期限付き移籍することが発表され、正式に韓国・Kリーグ1参戦が決まった。天野にとっては30歳にしてキャリア2度目の海外移籍だ。どんな想いを抱いて今回の挑戦を決断したのか、韓国渡航直前に蔚山現代への移籍について本人にじっくりと話を聞いた。今回は前編。(取材・文:舩木渉)
なぜ蔚山現代移籍を決断したのか
――単刀直入にお聞きします。まず蔚山現代FCへの期限付き移籍を決断するまでの経緯を教えてください。
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「ここ数年、特に昨年の自分に満足できなかったんです。もちろん途中から出場して結果こそ残しましたけど、満足できないものがありました。そんな中で蔚山現代からオファーをいただいて、マリノスに残るのか、期限付きで移籍するのか、どちらが自分にとっていいのかをずっと考えていました。
もちろんマリノスは楽しいし、居心地がいいし、お互いを理解しあった仲間とやる安心感もありますけど、同時にこのままだとサッカー選手として右肩下がりになってしまうのではないかという危機感もありました。
ここで何かを変えなければいけないと考えた時に、もちろんマリノスでも自分の意識しだいでは変えられると思うんですけど、人間ってそんなに簡単ではないんですよね。慣れ親しんだ仲間と一緒にやり続けながら、ギアをもう一段階、二段階と上げるのはなかなか難しいんじゃないかと思っていました。
蔚山現代がアジア屈指の強豪クラブの1つというのは間違いなくて、レギュラー争いはマリノスより熾烈かもしれない。天野純のことを誰も知らない厳しい環境でもう一度自分を成長させることを考えた結果が、移籍という決断になりました」