サッカー日本代表はカタールワールドカップアジア最終予選で、中国代表(1月27日)、サウジアラビア代表(2月1日)と対戦する。後半戦の山場となるこの一戦で、日本代表は吉田麻也、冨安健洋という2人の守備の要を負傷により欠くこととなった。ピンチを救うのは誰か。2009年から日本サッカーを取材している英国人ジャーナリストのショーン・キャロル氏は、1人のDFを最善の選択肢として挙げている。(文:ショーン・キャロル)
日本代表に空いた大きな穴
日本代表の森保一監督はワールドカップ予選に向けたメンバーを先週末に発表したが、それほどのサプライズはなかった。攻撃陣に関しては、Jリーグがシーズンオフであり古橋亨梧や三笘薫が負傷離脱という状況の中で、サムライブルーの指揮官は選べる選手を選んだという感じだ。
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コンディション面の不安により直近の代表戦でベンチ入りにとどまっていた堂安律とメンバー外となっていた久保建英の復帰は、ファイナルサードに欠けていた創造性や狡猾さをある程度もたらしてくれることだろう。前田大然の選出もスピード感とゴールへの脅威を加えてくれる。
だが絶対に勝たねばならない中国、サウジアラビアとの2試合に向けた不安は、守備陣中央の主力不在にある。冨安健洋の欠場に加えて、吉田麻也の不在という大きな穴が空いてしまうのは約10年ぶりのことだ。
日本代表のキャプテンでもある吉田は、オーストラリア代表と1-1で引き分けた2012年6月の試合を負傷で欠場して以来、代表チームのビッグゲームに欠場したことはほぼなかった。ピッチ内外での彼の存在感を失うのが大きな痛手であることは間違いない。
その10年前のブリスベンでの試合では横浜F・マリノスの栗原勇蔵が代役を務めたが、彼にとっては色々と慌ただしい夜となった。アルベルト・ザッケローニ率いるチームが2014年ブラジル大会出場に向けて貴重な勝ち点1を手に入れた戦いの中で、栗原は日本の1点を決め、ゴールライン際での劇的なクリアでチームを救った一方で、試合終盤にはレッドカードも受けてしまった。
その後のビッグマッチではCBの位置にいつも吉田の姿があり、ワールドカップ最終予選やアジアカップ、ワールドカップ本大会など重要な試合にフルタイム出場を続けてきた。温存されたのは2014年ワールドカップ予選のイラク戦、2019年アジアカップグループステージのウズベキスタン戦といった消化試合しかない。