【写真:Getty Images】
日本サッカー協会(JFA)は22日、カタールワールドカップのアジア最終予選に向けた日本代表メンバーを発表した。
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21日まで国内組のみを集めた合宿を行っていたが、そこからアジア最終予選のメンバーに選ばれたのは6人のみ。それもDF長友佑都、DF酒井宏樹、FW大迫勇也など、これまでもチームの主力として活躍してきた選手ばかりだった。
一方、国内組合宿で最も大きなインパクトを残していた選手は招集外となった。名古屋グランパスに所属するMF相馬勇紀は初日からキレキレで、練習中のゲームでも鋭いドリブル突破からのクロスやシュートを披露し、最終日の練習試合ではゴールを奪い、素晴らしい突破と機転でFW武藤嘉紀のゴールもお膳立てした。
相馬自身、もともと21日に予定されていたウズベキスタン代表戦への出場を想定し「今年は早めに動き始めていたので、そのままいいコンディションを持続できている」と話していた。昨年は公式戦60試合に出場とフル稼働だったが、「自分はどちらかというとキレが勝負を分けるタイプ」という理解のもと、オフの期間中も休みすぎず、なるべく毎日ジョギングなどで体を動かしていたという。
それもあって体の「キレ」は相当なもの。流通経済大学との練習試合に左サイドバックとして出場し、相馬とコンビを組んだ長友も「運動量も本当に多いし、守備も攻撃もできる、そして中も行けて縦にも行ける。彼はすべてにおいてレベルが高い」「トレーニングや意識も含めて見ていて、個人的に伸びてほしい、この選手なら伸びるなと思わせてくれる選手」と絶賛していた。
昨年11月のオマーン代表戦で大活躍したMF三笘薫は負傷中で、ベルギーでも戦列を離れているため今回の日本代表には招集できない。そういった意味でも相馬の抜てきには期待もかかったが、森保一監督は招集を見送った。
長友は「フルコートで初めて組んだと思うんですけど、非常にやりやすかったですね、初めてとは感じないくらい。10年くらい一緒にやっているんじゃないかと……それはちょっと言い過ぎなのかもしれないですけど、そのくらいの落ち着きと安心感が僕にはありました」と相馬に惜しみない賛辞を送った。
「攻撃だけじゃなくて、守備もできるんですよね。献身的に守備ができるところは代表にももちろん必要ですし、世界を戦う上で間違いなく必要になってくるので、彼に期待したいなと思います」
一方、相馬は国内組合宿中の取材で「東京五輪が終わった後の日本代表を見ていて、自分自身は選ばれるべき活躍が全然できていなかったと思っています」と話していた。そして「(東京五輪世代の他の選手が)A代表の中心となって活躍している姿を見て、自分もそこに追いつきたいという思いがありました」とも。
悔しさをバネに努力を続けた相馬は、日本代表の競争に割って入れるほどに力をつけてきている。練習試合でたった一度、サイドでコンビを組んだだけの長友が手放しで称賛する実力は本物だ。
今回の落選を受けて相馬は何を思うだろうか。カタールワールドカップに向けて、さらなる成長と、今後の日本代表招集や大舞台での活躍を楽しみにしたい。
(取材・文:舩木渉)
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