「この選手なら伸びる」と絶賛されたのは…
中谷と谷口はキャプテン・吉田麻也不在のDF陣に割って入ろうと、揃って安定感ある守備を披露。どちらが生き残ってもおかしくない状態であることをアピールしてみせた。稲垣ら中盤トリオも、長友から名指しで「落ち着きとテクニックがあり、球際も戦える」と高評価を受けた。中盤は遠藤航ら欧州組がコンスタントに試合に出ているため、最終予選の残留可能性は低いものの、3人のうち1人は生き残ることもあり得そうだ。
そして武藤と相馬の両サイドアタッカーは、揃ってゴールという結果を残した。まず相馬だが、16分にペナルティエリア左外から豪快なシュートを蹴り込み2点目をゲット。得意のドリブルで再三のチャンスメークを見せ、守備面でも前から献身的にボールを追っていた。
縦関係を形成した長友もこうしたパフォーマンスを前向きに受け止めた様子だ。
「運動量も多いし、守備も攻撃もできる。そして中にも縦にも行ける。彼はすべてにおいてレベルが高いし、レベルが上がってきている。東京五輪の時も見てましたけど、トレーニングや意識を含めて、この選手なら伸びるなと思わせてくれる。自分との関係も10年くらい一緒にやってるんじゃないかっていうくらいの落ち着きと安心感を抱ける」と絶賛していた。
昨年11月のオマーン戦で救世主となった三笘薫が負傷からまだ復帰できていないため、相馬のように仕掛けられるチャンスメーカーの存在は貴重だ。森保監督は合宿開始前にかつての10番・中島翔哉の2年2カ月ぶりの再招集を考えていることを明かしたが、今回の相馬の一挙手一投足を見て、考えが変わった可能性も否定できない。
コロナ禍で追加招集が容易でないことから多めに招集することもあり得るため、2人の同時招集も否定できない。いずれにせよ、相手が引いて守ってくる最終予選では、ドリブルで流れを変えられる人材は必要不可欠。相馬が有効な戦力であることは間違いなさそうだ。