【写真:Getty Images】
日本代表は千葉県内で国内組の候補選手たちを集めた合宿を行っている。
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今回は初招集の選手も多く、カタールワールドカップアジア最終予選に向けてフレッシュな面々がしのぎを削っている。追加招集でメンバーに選ばれた20歳のMF鈴木唯人もその1人だ。
清水エスパルスでプロ1年目からリーグ戦30試合に出場し、2年目の昨季は33試合に出場するなど主力の1人として活躍。U-22日本代表にも選出され、昨年10月にAFC U-23アジアカップ予選突破にも貢献した。
しかし、A代表は初招集。それでも「イメージしていたものと変わりなく、考えていたことがそのままだったので、最初にやったときに衝撃を受けることなく、ビビることなくプレーできたのが一番よかったのかなと思います」と鈴木は初めての環境にも手応えを感じている。
さすがに「全体的に考える頭のスピードが全然違った」が、「それに慣れて対応できれば全然できると感じているので、考えるスピード、判断、次のプレーの選択肢を考え続けることによって、うまく次のプレーに進めているのは今感じているところ」だという。
練習中はFWやインサイドハーフ、ウィングなど複数の役割をこなし、速いテンポの展開にも必死に食らいつく。鈴木はクラブとは違うスピード感の中で「いかに自分の持っている技術を伴うことができるか(が重要と)はすごく感じているので、頭をフル回転させてできればいいのかなと思っています」と、成長のきっかけもつかんでいるようだ。
「森保監督と、考えるスピード、次のプレーの予測、考えていたイメージに対して、相手が来たときにそのプレーを変えられるか、それにしっかりとした技術を発揮できるかが一番大事という話をしました。どの選手を見ていても思いますし、そういうところはもっと必要かなと思います」
日本代表常連のFW大迫勇也やDF酒井宏樹、DF長友佑都なども招集されており、欧州での経験も豊富な選手たちのクオリティを間近に感じることもできる。そのうえで彼らと競争し、ワールドカップ予選の出場メンバー入りを勝ち取らなければならない。
「まずはボールを奪える選手が(試合に)出られると思っていますし、ボールを奪った後に、いかにいい判断、選択をして次につなげられるか。攻撃をしている時も規則を守って、その中で自分の特徴を出していけるか。
攻撃からの守備になったときにしっかり1人ひとりが戻ることに力を注げるか。局面のなかでそういうことがしっかりできる選手が出場できるのかなと思いますし、うまさだけでなく強さも明らかに必要だと感じています」
こうした大切な気づきの数々を無駄にせず、短期間で成長につなげられなければ日本代表では生き残れない。鈴木は厳しい現実を受け入れながらも、チャンスが訪れることを信じ、毎日の練習に臨んでいる。
「追加招集という形ですけど、せっかくこういうチャンスをもらえたので、吸収するだけ吸収して帰るよりは、最終予選(でのメンバー入り)を狙ったことによって得られるものも多いと思いますし、少なからずここに来てやっているからには狙っている気持ちは全員当然あると思うので、その中で1日1日起きた出来事を考えながら、自分の変化につなげていける合宿にできればいいかなと思っています」
鈴木は年始に地元の子どもたちを対象にしたサッカー教室に参加した際、日本代表で「爪痕を残したい」と宣言していた。合宿が終わった時にどんな変化を見せられるか。伸び盛りの20歳が大きく成長していく姿を楽しみにしたい。
(取材・文:舩木渉)
【了】