【写真:Getty Images】
日本代表は千葉県内で国内組の候補選手たちを集めた合宿を行っている。
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24日からは海外組も帰国してカタールワールドカップ・アジア最終予選に向けた合宿も始まる。当然、国内組の選手たちにもメンバー入りのチャンスがあり、現在行われている合宿はアピールの機会であると同時にサバイバルレースでもある。
そのためオフ明けながら選手たちの身体は仕上がっていて、練習の強度も非常に高い。20代前半の若い選手も多く、これまで日本代表メンバーとして戦ってきた中堅以上の年齢の選手たちもうかうかしていられないだろう。
「僕自身も代表で経験がどうかと言われたら、少ない方なので、正直に言えば彼らと一緒に学んでいる感が強いですし、僕ももう若くはない年齢だと改めて感じました。自分が20歳の時にここに来られたかと言ったら、来られるレベルではなかったので、すごいなと。彼らに負けないように意識してやっています」
そう語るのは名古屋グランパスに所属するDF中谷進之介だ。昨年3月に日本代表デビューを飾った同選手は現在25歳。これから代表選手として飛躍を目指しつつ、「僕自身の今の立場でワールドカップ(出場)というのはなかなか言いづらい立場ではある」と強い危機感を抱いている。
だが、昨年1年間で複数回にわたって日本代表合宿を経験してきて、気後れすることはなくなってきたようだ。その「慣れ」により、ポジティブな意味で「なくなった」ものもあるという。
「江坂(任)選手、山根(視来)選手と『(日本代表で)初めての練習に行った時の初めてのゲームが一番キツかったよね』という話を昨日していたんです。それって結局メンタル面だったり、初招集のプレッシャーもあったと思うんですけど、そういうものがなくなったというのは話していて思いましたし、ある程度(練習で)やる内容や強度も分かってきているので、慣れではないですけど、変な感じ方はしなくなっています」
プレーの強度やスピードの基準が日本代表仕様になり、それが個人の成長と代表チームへの慣れにつながったようだ。そして、日本代表に継続的に招集されたことで、クラブでも代表でもプレーに対する意識が変わってきたと中谷は言う。
「やっぱり一度代表に入って、次も呼んでもらいましたけど、そこから期間が開いたことで『ここに残り続けたい』という思いは強くなるし、代表の基準を求めるようになるので、その意識から自分に求めるスタンダードは変わったと思います」
ワールドカップ出場を果たすためにアピールできる機会は限られているが、今月は中谷にとって大チャンスだ。DF吉田麻也が負傷によって離脱しており、普段は出番の少ないセンターバックの選手に代役としての働きが求められることになる。
「本当にチャンスだし、センターバックの絶対的なレギュラーの選手(吉田)が怪我をしていないということで、そこ(W杯最終予選のメンバー)に残っていくにはこの合宿が大事だし、酒井(宏樹)くんとか偉大な先輩方とああいう(W杯最終予選の)舞台でプレーできるように、僕はそのプレッシャーを感じたいので、そこにいけるように頑張りたいです」
中谷は19日の練習でも積極的なプレーで存在感を発揮していた。11対11のゲームでも高速展開の中で効果的なパスを正確に通したり、アタッカー陣に当り負けない強さも見せていた。こうしたアピールが実るか。国内組の合宿は残り2日間だ。
(取材・文:舩木渉)
【了】