課題は改善されず…
「(前半の30分までは)自分が就任してから最高の試合だと感じていた」
試合後、ラングニック暫定監督がインタビューで語った通り、前半の30分まではユナイテッドが完全に試合を支配していた。
しかし、スタミナ切れに伴いプレスがかからなくなると中盤が一気に間延びし、セカンドボールを拾われ続けるという展開になってしまった。
これはプレミアリーグ21節ウォルバーハンプトン(ウルブス)戦や5日前のFAカップ3回戦アストン・ビラ戦でも見られた展開だ。今節も後半のスタミナ切れや間延びは改善されなかった。
シーズン途中に監督に就任してチームの修正を図るということは非常に難しい。特にユナイテッドは欧州カップ戦もリーグ戦と並行して戦っており、過密日程の中で新型コロナウイルスの陽性反応を示した複数の選手が離脱しているチームに、スタミナやハードワークを植え付けるトレーニングを行う時間は限られている。
また、今季終了までの「暫定監督」というラングニック暫定監督の微妙すぎる立場も選手たちの心理に悪く影響しているという仮説も立てられる。
「ラングニックはどうせ今季までだから…」と思っている選手がいても不思議ではない。
12月中旬にラングニック政権となって以降は公式戦4勝2分1敗と成績自体はそこまで悲観する結果ではないが、初陣となったクリスタル・パレス戦をピークに徐々にゲームの内容は悪くなってしまっている。
現状の問題を今のスカッドで解決するか、もしくは今冬に新たに選手を補強するか、様々な可能性があるが、これからギアを上げない限り今季の欧州カップ戦出場権獲得は非常に難しい戦いとなるだろう。
(文:安洋一郎)
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