前半と後半で別のチームに…
一体なぜ、前半とは対照的に後半はビラに圧倒されてしまったのだろうか。
それは誰が見ても明らかな「スタミナ切れ」だ。
前半に機能していた4-5-1のブロックの中盤のスライドが遅くなると同時に最終ラインから前線まで間延びしてしまった。これにより中盤でビラの選手たちがボールを受けるスペースが生まれ、CBのタイロン・ミングスからもビッグチャンスを演出する縦パスやドリブルでの持ち運びが見られるようになった。
攻め込まれる展開が続くも、67分にモルガン・サンソンからのバックパスがミスとなり、ブルーノ・フェルナンデスがこの日2点目となるゴールを決めてユナイテッドがリードを2点に広げた。しかし、その直後に投入されたフィリペ・コウチーニョとカーニー・チュクウェメカ、2人の登場によりユナイテッドはより苦戦を強いられる。
この2人に加え先発出場していたエミリアーノ・ブエンディアとジェイコブ・ラムジーはライン間でボールを受けるのが上手く、狭いエリアでも高い技術でボールを繋げる選手たちだ。
ユナイテッドの選手たちのスタミナ切れと間延びが顕著となったこのタイミングでビラのスティーブン・ジェラード監督はテクニックのある2人の選手を投入。この采配が功を奏し、77分にラムジー、82分コウチーニョがゴールを奪い、試合はあっという間に振り出しに戻った。
同点に追いついた後もビラ優勢で試合が進んでいたが、スコアは動くことなく2-2のドローに。勝ち点1を分け合う形となった。
ユナイテッドが前半と後半で別のチームになったのは明らかで、データサイト『Sofa Score』によると前半ユナイテッドは55%のボール支配率と7本のシュート、4本の枠内シュートを記録。対するビラは4本のシュートに3本の枠内シュートだった。
それが後半になると立場が逆転し、ビラが65%もボールを支配した。シュートもユナイテッドを上回る9本、枠内シュート6本を記録。対するユナイテッドはシュート6本、枠内シュートは2本だった。