特に異彩を放っていたのは…
結果的にロベルト・フィルミーノやファビーニョといった主力選手のゴールで逆転に成功したが、90分通して若手選手たちが躍動。中でも反撃の狼煙となる同点ゴールを決めた17歳のカイド・ゴードンは異彩を放っていた。
3トップの右でスタメン出場したゴードンは、試合開始から17歳とは思えない程の落ち着きを見せていた。相手のプレスに全く動じず、状況に応じて適切なプレーを選択できるこのFWは、間違いなく相手の脅威となっていた。
19分にはファビーニョからロングパスを受けると、ペナルティエリア手前で中に切り込でミドルシュート。ブロックに来たDFの股を抜く巧みなシュートで相手ゴールを脅かすと、34分に同点ゴールが生まれた。
密集したペナルティーエリア内でフリーとなっていたゴードンは、右サイドを上がってきたコナー・ブラッドリーの速いクロスを足元で受ける。見事なコントロールで後方から奪いに来た相手選手をかわすと、流れるように左足に持ち替えてシュート。相手に囲まれていたにもかかわらず、一切慌てることなくゴール左に冷静に流し込んだ。
この同点ゴールは、ゴードンにとってトップチーム初得点となった。17歳96日での得点は、2015/16シーズンに18歳215日でゴールを決めたシェイ・オジョの記録を破り、FAカップにおけるクラブ史上最年少記録となった。
その活躍にユルゲン・クロップ監督は「彼は特別な子供だ、誰もがそれを知っている 」と話し、続けて「本当に穏やかで、素晴らしいフィニッシャーだ」と17歳FWを称賛している。
記念すべき初ゴールを決め、勝利に貢献したゴードンはまだ17歳と若いが、次世代のリバプールを牽引していく存在となり得る。トップチーム定着はまだ難しいかもしれないが、今回のようなカップ戦で結果を残すことが出来れば、おのずと出場機会は増えていく。将来を期待せずにはいられない逸材だ。