【写真:舩木渉】
横浜F・マリノスは9日、2022シーズンの新体制発表会を開催した。
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ベガルタ仙台からの新加入選手として登壇したFW西村拓真は「新しい自分」という言葉を何度も繰り返した。ロシアやポルトガルでのプレー経験も持つが、国内で仙台以外のクラブに在籍するのはマリノスが初めてだ。
「アタッキングフットボールで『新しい自分』が作り出せるんじゃないかと思って、ここを選びました。やっぱりまだ未完成な部分も多いですし、自分に足りないところはたくさんあると思うんですけど、そういうところをすごく伸ばせる場所だし、『新しい自分』になれるんじゃないかと思ってこのチームに来させてもらいました」
2018シーズンには仙台でリーグ戦二桁得点を達成した。しかし、ロシア1部のCSKAモスクワとポルトガル1部のポルティモネンセを経て仙台に復帰した2020シーズンは3得点、2021シーズンも6得点と期待されたほどの結果を残せなかった。
そして2021シーズンのJ1リーグ戦を19位で終えた仙台はJ2リーグ降格となり、西村にとってもキャリア初の降格で悔しい思いも味わった。環境を変えてさらに自分を進化させるために、覚悟を決めて移籍を決断した。
「FWとして戦ってほしいという評価をしてもらって、最初にオファーをもらった時は自分のプレースタイルに合うかを少し考えましたけど、やっぱりより厳しいところでやりたいと思ったのと、『新しい自分』になれると思ったので、このチャレンジをしたいと思いました」
新体制発表会の中で今季のチーム編成について説明したチーム統括本部の西澤淳二トップチーム・ダイレクターは西村の獲得について「(オナイウ)阿道選手や(前田)大然選手みたいに、マリノスから海外に行ったところを本人も非常に魅力に思っている」と明かした。
そして「アタッキングフットボールで、マリノスのやり方で点を取った選手が海外移籍した。自分のキャリアアップ、もう一度欧州でやりたいという形で、マリノスで得点を取ったらまた向こうにチャレンジすると思った中で、チャレンジしにきてもらいました」と、西村が2度目の欧州挑戦を意識していることにも言及していた。
25歳で初の国内移籍に踏み切ったストライカーは、「FWなので結果は常に求められていると思いますし、そこは一番こだわってやっていきたいです」と熾烈な競争が待ち受ける「1トップ」でのプレーを思い描く。そのうえで「チームのために走るのは僕の長所でもあるので、そこをより伸ばせるようにしていきたいです」と、マリノスの特徴でもある前線からの守備にも意欲を示した。
新シーズンに向けて西村が目標に掲げるのは「1試合1点」だ。もしそれを達成できればチームをタイトル獲得に導けるだろうし、当然ながらJ1リーグ得点王も現実味を帯びる。その先には欧州再挑戦への道も見えてくるだろう。
FWレオ・セアラをはじめライバルたちは強力だが、独特な感性を持つ新ストライカーの躍動に期待したい。
(取材・文:舩木渉)
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