レアル・マドリード戦でベンチ入りし…
――夏の移籍市場の終盤にシント=トロイデンへの期限付き移籍が決まりました。スペインではトップチームに25人という選手数の制限があり、外国籍枠の壁もあったと思いますが、武者修行はどのように決まったのでしょうか。
「プレシーズンはすごくいい感覚でやれていましたし、実は一度今シーズンはアラベスでプレーすると決まっていたんです。ところが、リーグ開幕戦のレアル・マドリード戦を終えた直後に急きょベルギーへの期限付き移籍という話が来て、正式に決まりました。
アラベスとしては、いまの実力でもスペインで戦えるとは思うけど、欧州ではクロアチアで半年しかプレーしていないし、もう1年しっかり経験を積んでほしいということでした。もちろんベルギーで結果を残さなければ復帰できないのはわかっていますが、『来シーズンを期待して、帰ってくるのを待っているから』ということも言っていただきました」
――そのレアル・マドリード戦では出場機会こそなかったものの、ラ・リーガ1部でのベンチ入りを経験しました。間近で見た世界トップレベルの試合で何を感じましたか?
「もうベンゼマだけ見ていましたね。差は小さいようで、すごく大きい感じがしました。どのポジションを見てもトップクラスの選手がいて、もちろん出たかったですけど、ベンチという最高の特等席で彼らを見て、すごく楽しかったというか。
近くで彼らの動きを見るだけでなく、試合に向けた準備段階からすごく熱く入っていた雰囲気や感覚を味わって、間近で経験できたのはすごく幸せでした。将来的には、あそこでプレーしていた選手たちと戦って勝たなけれはいけない、そのために必ずあの場所に戻らなければいけないと感じています」
――実際にレアル・マドリード戦でベンチ入りして、いままでテレビで見るしかなかったベンゼマのような選手たちが目の前の手の届くところにいました。「差は小さいようで、すごく大きい感じがした」とおっしゃっていましたが、それでも自分との距離が縮まった感覚もあったのではないでしょうか。
「今後、ラ・リーガなどでプレーできれば、なおさら距離が縮まったと感じると思います。僕の夢は欧州のトップリーグでプレーすることだったので、常にそこを基準にして取り組んできましたし、成果が出始めているのはうれしいです。
プロ4年目で自信もついてきています。2年前までJ3で試合に出たり出なかったりの選手だったので、自分の成長する能力は誰にも負けないと思っていますけど、まだまだ足りないので、これからもどんどん成長していきたいと思います」