「第一印象は『うわ、すげぇな…』でした」
――イストラでは公式戦で8得点を挙げ、クラブを国内カップ戦準優勝と1部リーグ残留に導きました。わずか4ヶ月のプレーで最優秀若手選手賞の候補にもノミネートされるなど、大きなインパクトを残して、欧州でもやれるんだという手応えをつかんだのではないでしょうか。
「下位のクラブなので、ゴールを決めるのは簡単ではなかったですけど、最低限の結果は残せたと思います。ベルギーよりレベルの落ちる環境とはいえ、カップ戦でクラブを準優勝に導けましたし、すごく楽しくプレーできた4ヶ月間でした」
――言葉の壁などもある中で、周囲からの信頼はすぐに得られましたか?
「練習や試合でのプレーを通して徐々にチームメイトやスタッフが信頼してくれているのは伝わってきていました。信頼してもらえるのはサッカー選手としてすごくうれしいですし、自信にもなりました」
――初めての欧州挑戦となったクロアチアで、Jリーグや日本サッカーと違いを感じたところはありますか?
「『戦う』という部分の迫力はすごかったです。最初は練習で『そんなにうまくないな』という印象を持ったんですけど、試合になったらみんな練習とは全く違う目つきになって、めちゃくちゃ戦うようになるんですよ。
日本だったら練習で『あいつ下手だな』となったらそれで終わりなんですけど、クロアチアの選手たちの試合での第一印象は『うわ、すげぇな…』でした。僕にとってはそれがすごく楽しくて。本当にチームとして戦っているんだと感じられましたし、気持ちの強い選手は多かったですね。『戦う』というのは、試合で必要不可欠なんだと改めて思い知らされました」
――短期間ではありましたが、クロアチアで成長できたと感じているところはありますか?
「クロアチアリーグはカウンターが特別速いわけではなく、ポゼッションがそこまでうまいわけでもないと思います。それでも特徴的だったのは、球際で戦うところですね。そこはJリーグと明らかに違いました。より強く激しく戦うことを求められますし、情熱的な印象を受けました。
僕自身、あまり気持ちを前に出してプレーするタイプではないし、やや苦手ではあったんですけど、周りがそういう環境だと自分もチームメイトを真似るようになりました。なので、球際や気持ちの強さの部分は変わったと思います」
(取材・文:舩木渉)
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