ベルギー1部リーグで強豪ゲンクが苦しんでいる。昨季を2位で終えていたにもかかわらず、今季は序盤から苦戦が続いて中位に低迷。浮上のきっかけをつかめないまま、フロントは監督交代に踏み切った。その中で日本代表MF伊東純也は何を感じながら戦っているのか。現地で試合後に直撃した。(取材・文:舩木渉)
ベルギー屈指の強豪ゲンクが予想外の大低迷
「これまでも(シーズン)序盤に勝てない時期はありましたけど、中盤になってこの順位にいるのは初めてかなと思います」
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そう話していたのは、ベルギー1部のゲンクで在籍4シーズン目を迎えている日本代表MF伊東純也だ。直接話を聞いたのは11月28日に2-3で敗れたリーグ第16節のクラブ・ブルッヘ戦後だった。
当時ゲンクはリーグ戦16試合で6勝3分7敗と負けが先行し、順位も18クラブ中10位と低迷していた。昨季はレギュラーシーズンで4位、優勝プレーオフで2位に入った国内屈指の強豪クラブにとっては屈辱的な順位と言えるだろう。
しかも、伊東をはじめ、FWテオ・ボンゴンダやMFブライアン・ヘイネン、MFクリスティアン・トルストベット、MFパトリック・フロショフスキー、そして昨季リーグ得点王のFWポール・オヌアチュなど昨季まで主力を担った多くの主力が残留。監督も代わっておらず、低迷する理由などないように思われる状況だった。
ただ、試合を見ると昨季の面影は全くないのである。クラブ・ブルッヘ戦も退場者を出して10人の相手に逆転負けを喫した。試合終了した瞬間、ピッチに立ち尽くしてしばらく動けなかったゲンクの選手たちからは底知れない絶望感が漂っていた。
伊東は「最近勝てていないので、雰囲気はよくないと思います。若いチームなので、みんなナーバスになっているかなという印象はありますね」と語る。スタンドから見ていた印象も、まさにその通りの状態だった。
特に「ナーバス」さが顕著だったのは攻撃面だ。クラブ・ブルッヘ戦では2得点を奪ったものの、2つともフロショフスキーのスーパーゴールで、再現性がない。ゲンクの選手たちはゴール前で押し込むだけであったり、どフリーでGKと1対1になったり、もっと確実に決められそうなチャンスをことごとく外していた。どの選手もチャンスで「決めなければ…」というプレッシャーに押しつぶされているのか、とにかく簡単なシュートが入らない。
「ここ数試合ビッグチャンスが全部入らない感じになっているので、(チャンスを決められるかは)ラッキーな部分もあると思うんですけど、そういうところを決め切るチームじゃないと勝てないかなと思います」