サッカー天皇杯決勝、浦和レッズ対大分トリニータが19日に行われ、2-1で勝利した浦和がタイトルを獲得している。浦和はチームを去るレジェンドたちを最高の形で送り出すことができた。ピッチで躍動していたのは、かつて阿部勇樹がプレーした中盤の選手たちだった。(取材・文:元川悦子)
満員の国立で積極的に仕掛けた浦和レッズ
今季限りで現役引退する阿部勇樹、退団が決まっている槙野智章と宇賀神友弥。12月19日の天皇杯決勝・大分トリニータ戦はご存じの通り、レジェンド3人にとって浦和レッズでのラストマッチとなった。
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来季以降もチームに残る面々も「タイトルを取って偉大な先人たちを送り出したい」という思いは非常に強かったはず。コロナ禍初の5万7785人という大観衆が国立競技場に集結したこともあり、最高のムードの中で大一番の火ぶたが切られた。
浦和の基本布陣は4-2-3-1。だが、中盤をダイヤモンド型にする大分の4-4-2の隙を突くべく、攻撃時は3バックになり、中盤も流動的に変化するスタイルを取った。ボランチ陣も柴戸海がアンカー気味に位置し、伊藤は左から絞った小泉佳穂とともにポジションを高くとって、攻めに厚みを加えていく。右MFの関根貴大も積極的な仕掛けを見せ、敵をかく乱する。
こうした変則的な攻撃に大分守備陣は序盤から混乱。守備がハマらず、相手にいいようにやられていた。浦和はその機を逃さず、開始6分に電光石火の先制点を挙げる。
始まりは小泉のドリブル突破だった。右サイドをグイグイと攻略。いったんはこぼれたが、それを関根がフォロー。ペナルティエリア内に侵入し、マイナスクロスを送った。
これに反応したのが江坂任。「フカさないようにシュートを打った」と言う背番号33の右足弾は豪快にネットを揺らした。同じ国立で今年1月4日のYBCルヴァンカップ決勝に挑み、苦杯を喫している彼にしてみれば、待望の先制ゴールだったに違いない。