2021年ラストゲームへ
三笘がスタメンに復帰してから4試合で4連勝。ついに先発起用の試合でゴールも挙げ、求められていた結果を残すことにも成功した。
前回スタメン起用が続いていたときと大きく違うのは、4試合のうち3試合でフル出場していることだろう。途中出場で「流れを変えられるのはわかっている」と述べた通り、他の選手よりもフレッシュな状態で突破力を発揮するだけでなく、90分間サイドを上下動し続けながら攻撃面で違いを生み出せることを証明した。
「(左ウィングバックとして)最終ラインまで戻るところと出ていくところと、上下動が激しいので、そこを考えながらいかに自分の特徴であるドリブルを出していくかは考えながらやっていますけど、なかなかまだつかめてはいないです」
シント=トロイデン戦ではこのように語っていたが、セルクル戦後半の2得点に大きく関与したことで、何かつかめたかもしれない。守備面でサイドバックのように振る舞いながら、攻撃時はウィングとしてフィニッシュの局面に関わってゴールやアシストで勝利に貢献する「左ウィングバック」としての価値は十二分に示した。
5得点の三笘は、16得点のデニス・ウンダフと11得点のダンテ・ヴァンゼイルという強力な2トップに続きチームで3番目に多くのゴールを奪っている選手だ。まだまだ守備面で周りの選手の力を借りてしまう場面もあるが、ユニオンが首位の座をキープするために欠かせないキーマンの1人となっている。
4試合連続のスタメン起用で90分間タフに戦えることと、そのうえで勝利に直結する結果を残せることを証明した。フェリース・マッズ監督も三笘をベンチ要員に戻す判断は容易に下せないだろう。
ユニオンは12月26日のヘント戦が2021年最後の公式戦になる。三笘は自らのゴールやアシストでチームの5連勝を演出し、最高の形で新年を迎えたい。さらなる大活躍の予感は試合を重ねるごとに強くなっている。
(文:舩木渉)