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三笘薫のベルギー挑戦を追って(後編)。「全然やれている感覚はない」厳しすぎる自己評価の先にあるものとは?【コラム】

text by 舩木渉 photo by Getty Images

 ベルギー1部リーグで首位を走るロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズで、三笘薫が大きなインパクトを残している。東京五輪を終えて海を渡った24歳は、11月に日本代表から初招集を受けた。初挑戦の欧州で左ウィングバックという新しいポジションにも挑戦している今、何を思いながらプレーしているのか。ベルギーでの試合後に直撃した。(取材・文:舩木渉)

「もがきながらやっています」の先には

三笘薫
【写真:Getty Images】


>>前編はこちら<<

――いま、充実していますか?

「いや、全然です」

――それは、なぜ?

「いやあ…まあ…苦しいですよ、もちろん、いろいろと。もがきながらやっています」

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 この先がどうしても気になる。11月26日に行われたベルギー1部リーグ第16節のルーヴァン戦後、ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズに所属する三笘薫が残した言葉がずっと頭に残っていた。

 もともと12月2日にポルトガルへ飛ぶ予定にしていたが、当日朝ギリギリまで悩んだ末にリスボン行きの航空券をキャンセル。同3日に行われるシント=トロイデンVV戦で、再び三笘を取材することに決めた。

 ユニオンにとってはアウェイゲームながら、ブリュッセルから多数のサポーターが駆けつけた一戦は苦しみながらも2-0で勝利。前節ルーヴァン戦でゴールを挙げていた三笘は、リーグ戦3試合ぶりの先発起用となり、今季初のフル出場で勝利に貢献した。

 待ちに待った試合後の取材で、「もがきながらやっています」の続きを聞くことにした。

――ルーヴァン戦で「充実していますか?」と聞いた時に「全然です」と答えました。その先を聞きたくて、ここに来たんです。

「いやもう、主観的なところだと、(ベルギーリーグで)全然やれているという感覚はないので。見ている側の人たちの見方はわからないですけど、僕自身は全然できている感じがないので、もっともっと攻撃で違いを出すことと、自分のところで危ないチャンスもありましたし、そういったところはもっと減らせるようにしたいと思います」

――これだけ結果を出していても「やれていない」と感じる。

「全然やれていないですね」

 この返答には正直、驚いた。確かに守備面では要所を左センターバックのシーブ・ファン・デル・ヘイデンにカバーしてもらっている部分があるとはいえ、最終ラインまで戻って粘り強く守ることはできているし、そこから前に出てチャンスメイクの局面で違いも出せている。なにしろ4得点を奪って結果も残しているのである。

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