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なぜ、レアル・マドリードは“レベルが違う”のか? アトレティコ粉砕の理由。10連勝に感じた真の強さ【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

シメオネの度重なるシステム変更。しかし…



 良い入りこそ見せるも結局はマドリーにペースを与えたまま前半を終えてしまったディエゴ・シメオネ監督は、後半頭からジョアン・フェリックスとトマ・レマルを投入し、それまでの4-4-2から3-4-2-1に変更(守備時4-4-2は継続)。マドリーのカウンターに警戒しながら、という意図もあっただろう。

 後半、良い入りを見せたのはまたもアトレティコ。とくにJ・フェリックスが効いていた。スタートポジションこそ左シャドーだが、流れの中ではある程度フリーに動くことでマドリーDF陣に常時マークを入れ替えさせ、そこにレマルやコケ、あるいはマリオ・エルモソらも絡んでくることで瞬間的な数的優位を作り出すことができていた。実際、J・フェリックスの働きにより、アトレティコは50分、51分と立て続けに決定的なシーンを生んだ。

 それでもマドリーは一枚…いや、それ以上に上回ってきた。上記したピンチをGKティボー・クルトワのファインセーブで切り抜けると、57分に追加点。前掛かりになって中盤と最終ラインの間が不用意に空いていたところを突き、速攻から最後はマルコ・アセンシオが仕留めた。

 その後シメオネ監督はルイス・スアレスとレナン・ロディを投入し、再びフォーメーションを4-4-2に戻している。2点ビハインドという状況もあり、前半同様、より攻撃的に出るという狙いだろう。

 しかし、マドリーはそれにも動じない。2点リードしていることもあるが、何よりアトレティコの4-4-2は前半に守り慣れた形。セットプレーからピンチを招くことはあったものの、流れの中でやられることはほとんどなかった。

 攻撃時は前半から変わらずゆっくりとポゼッションし、効果的にサイドチェンジなども使いながらじわりじわりと敵陣に侵入。あまりリスクを冒さず、かつしっかりボールと人が動くことでアトレティコに反撃のチャンスを与えなかった。

 結局ゲームは2-0のまま終了。前半、そして後半の立ち上がりはアトレティコペースだったが、その後しっかりと流れを取り戻し、最終的に自分たちの試合にしてしまうマドリーはさすがだった。2-0というスコア以上に差があったと言っていいはずだ。

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