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レアル・マドリード、最高の90分間。インテルに完封勝利できた要因、凄まじい活躍を披露したのは?【欧州CL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

影のMVPは…

エデル・ミリトン
【写真:Getty Images】



 この日のプレイヤー・オブ・ザ・マッチには、今回でCL通算100試合目の出場となったモドリッチが選出されている。多くの主力選手が今週末のリーグ戦に向け途中交代される中、36歳のクロアチア人MFはフル出場。攻守においてよく働くなど、勝利への貢献度は絶大だった。

 ただ、ここではもう一人のパフォーマンスに触れておきたい。それが、エデル・ミリトンだ。同選手はインテル戦の影のMVPと言っても過言ではないだろう。

 結果無得点となったが、ラウタロ・マルティネスやエディン・ジェコを擁するインテルの攻撃は決して軟弱なものではなかった。むしろしっかりとした狙いを持っていたなど、マドリーに通用していた部分もあった。しかし、それを無力化し続けたのがミリトンとダビド・アラバのCBコンビ。彼らの奮闘がなければ、チームが効率良い攻めに転じられることはなかった。

 とくに凄かったのはミリトン。空中戦の強さは抜群で、59分にはペリシッチのクロスに対し身体を投げ出してボールを弾いた。また非凡なスピードを活かしてSBのカバーリングも的確に行っており、バレッラの退場はミリトンがダニエル・カルバハルが前に出ていた右サイドを潰したからこそ起きたものだった。

 さらに、73分にはフェルラン・メンディの背後を狙ったアレクシス・サンチェスのパスを素早い反応でカットしピンチを脱す。89分にはバイタルエリアでボールを受けたマティアス・ベシーノをノーファウルで潰す好プレーを披露。これにはサンティアゴ・ベルナベウからも「ミリトンコール」が沸き起こった。

 マドリー加入後しばらくはラファエル・ヴァランとセルヒオ・ラモスの影に隠れなかなか存在感を示せなかったミリトンだが、昨季終盤にS・ラモスが負傷したことで出番を得ると着実にレベルアップ。ヴァランとS・ラモスが退団した今季はアラバと共に最終ラインを支え、印象的な活躍を披露し続けている。ヴィニシウスと同じく、凄まじい進化を遂げたと言っていい。

 マドリーは今週末、アトレティコ・マドリードとの“マドリードダービー”を控えている。重要な一戦を勝利で終えるために、再びミリトンの活躍が求められることになるだろう。

(文:小澤祐作)

【了】

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