焦るインテルと冷静沈着なマドリー
後半に入ってもインテルがボールを握る展開に変わりはなかったが、1点リードしていることもあり、マドリーは常に冷静だった。しっかりとブロックを組んで隙を与えず、自陣深くに押し込まれても最後の場面で身体を張り続けている。
首位通過のためには勝利が絶対のインテルは、堅い守備を披露するマドリーを前に明らかに焦りの色が見え始めていた。シモーネ・インザーギ監督が選手交代を早めに行ったということもあるが、なかなか連係が噛み合わなかったり、シュートを急ぐようなシーンが後半は増え始めていた。
そんな中、ニコロ・バレッラがエデル・ミリトンの強烈タックルに激しく怒り、ブラジル人CBの足にパンチ。これでバレッラは一発退場となり、マドリーは思わぬ形で数的優位となった。
一人少なくなったインテルは、当然ながらそれまでと同じ強度で守備ができない。対するマドリーは攻め急ぐ必要はまったくないので、落ち着いてボールを動かしながら着実に時間を進めていた。
そして79分、マドリーは相手ゴール前でボールを動かし続け、最後はマルコ・アセンシオが見事なゴールをゲット。そのまま2-0で勝利し、グループリーグ首位通過を確定させた。
インテルに押し込まれる時間が続きながら冷静に弾き返し続け、効率良い攻めから幾度となくチャンスを作って相手に焦りを与える。そして数的優位を得た後も集中力を殺さず確実に勝利を奪うなど、マドリーはまさに試合巧者だった。この日は最高の90分間になったと言えるだろう。