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リバプール、南野拓実のMF起用には限界がある。控え組でACミランに完勝、「誰が出ても強い」のだが…【欧州CL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

南野拓実に中盤適正はあるのか


 結論から述べると南野に中盤適正はない。厳密に言うと守備面では計算できるが、攻撃面では限界がある。

 今節、南野は本職ではないインサイドハーフで先発起用された。直近出ずっぱりのジョーダン・ヘンダーソンとチアゴ・アルカンタラには休養が与えられ、カーティス・ジョーンズは負傷離脱中、ジェームズ・ミルナーは出場停止、ナビ・ケイタは負傷明けで先発起用できるコンディションではないと判断されての中盤での起用だった。

 そうした中で南野は前半だけでチームトップとなる6.27kmの走行距離を記録。中盤でハードワークに徹し、セカンドボールの回収やフィジカル自慢のフランク・ケシエからボールを奪うなど攻守の切り替えの部分で持ち味を発揮した。

 ただ、CKから失点を喫した場面では、自分の前にきたボールをクリアできずに失点に関与。他にもサイドチェンジが大きくズレるシーンや、逆サイドでフリーになっている選手を見つけられないなど中盤の選手としては展開力に欠いた。

 64分にマネとサラーが交代となってからは左WGへとポジションを移したが、あまりボールに絡めず、前線に入ってからは1本もシュートが打てなかった。

 この試合に限らずユルゲン・クロップ監督は、何度か南野をインサイドハーフで起用しているが、どれも期待以上の活躍ができたとは言えない結果に終わっている。オフザボールでの動きは良いのだが、チアゴやヘンダーソンのように前線にピタリと合わせる精度の高いパスを出せるわけではない。アレックス・オックスレイド=チェンバレンのように推進力のあるドリブル突破から違いを出せる選手でもない。

 逆に南野は中盤からのボールを狭いエリアで受けてから反転→シュートと、本来は「受け手」側で起用されてこそ輝く選手だ。チーム状況によって今節は中盤起用された形となったが、今後リバプールで長期的に活躍するためには「出し手」ではなく、「受け手」の選手として結果を残す必要があるだろう。
(文:安洋一郎)
【了】

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