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リバプール、南野拓実のMF起用には限界がある。控え組でACミランに完勝、「誰が出ても強い」のだが…【欧州CL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

誰が出てもリバプールが強い理由


 その最大の理由は、試合に出場した全選手がチームのやりたいサッカーを熟知しているということにあるだろう。

 ミラン戦に出場した全16選手のうち、リバプールに加入してから半年未満だったのはCBのイブラヒマ・コナテのみ。その他の選手は1年以上前からトップチーム、もしくはアカデミーに所属している選手だった。試合以外にもトレーニングを長期間に渡って積んでいることもあり、選手たちはいつでも監督の期待に応えられる準備ができている。

 リバプールはU-23チームにおいても一貫してトップチームと同じ4-3-3のシステムを採用しており、CL第5節に続きアンカーで先発起用されたモートンもスムーズに試合に入ることができていた。

 ベストメンバーから大きく選手が入れ替わったとしても、高いレベルでハイプレス、ハイラインの戦術が機能していた強さの理由だろう。

 一方のミランはこのハイプレスに苦しんだ。ビルドアップ時に自陣で何度もボールを失い、多くのショートカウンターを浴びてしまった。2失点目のシーンは、フィカヨ・トモリが致命的なトラップミスをしてしまったことが失点の最大の要因となってしまったが、このミスに対してリバプールの前線は素早く反応し、見事にゴールを決めきった。

 ミランもリバプールのハイプレスを回避するための工夫をしていなかったわけではない。だが、イブラヒモビッチに対するロングボールの多くは、190cmと192cmのリバプールのCBコンビに跳ね返され、ハイラインの裏に狙ったパスはイブラヒモビッチのスプリント力では機能しなかった。ミランからするとスピードのあるラファエル・レオン、アンテ・レビッチがケガをしていなければ…と前線の駒不足が露呈してしまう展開となってしまった。

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