もはや人間離れしているサラー
4得点大勝の理由としてもう一つ取り上げておきたいのが、やはりサラーのクオリティーである。
今季何度も理不尽なゴールを決めてきたエジプトの快速王は、この日も圧巻のパフォーマンスを披露。19分にはカウンターから見事な一撃を沈め、64分にはコールマンのミスを見逃さず、ハーフウェイラインでボールを奪ってそのまま持ち運びゴールネットを揺らしている。
64分のゴールシーンが証明する通り、トップスピードでもボールコントロールやボディバランスが大きく乱れないのが凄いところだ。だからこそ、ドリブルからシュートに至るまでが常にスムーズで、相手からすると止めることが難しい。そのストロングポイントはもちろん以前からあったが、今季はよりレベルアップしている印象を受ける。とにかく今のサラーは化け物だ。
エバートン戦後、クロップ監督は「試合の後、彼は怒っていたんだ。3点目を欲しがっていた」と話している。敵地、それもダービーで2ゴールは十分過ぎる結果のように思えるが、サラーにとっては物足りなかったよう。こうしたいつまでも貪欲な姿勢が、ゴール量産の秘訣になっていると言えるだろう。
エバートン戦の結果により、今季19試合で19得点となったサラー。年明けのアフリカネーションズカップでチームを離れることが濃厚なため、それまでは全力でゴールに絡み続けてくれるだろう。
(文:小澤祐作)
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