【写真:Getty Images】
『フランス・フットボール』誌の主催するバロンドールの2021年度授賞式が現地時間29日に行われた。パリ・サンジェルマン(PSG)のアルゼンチン代表FWリオネル・メッシが7度目の受賞を果たしたが、同選手の受賞に対しては批判や異論も相次いでいる。
絶対的な有力候補が不在であり、史上最も大混戦とも言われていた今年度のバロンドール。だが発表が近づくにつれてメッシの受賞が確実視されるようになり、その事前予想通り29日の授賞式でメッシの選出が発表された。
33ポイント差という僅差で2位に続いたのはバイエルン・ミュンヘンのポーランド代表FWロベルト・レバンドフスキ。2021年を通してメッシを大幅に上回る得点数を記録し、新設された年間ベストストライカー賞を受賞したが、初のバロンドール受賞には届かなかった。
ドイツメディアはこの結果に納得できない様子で、メッシの受賞に対して批判も噴出。『ビルト』紙は投票結果を「インチキ」と厳しく非難し、「事実であるはずがない。スキャンダラスな人選」と評している。
選手や元選手などからも、メッシの受賞に対して疑問の声は少なくない。元スペイン代表GKのイケル・カシージャス氏は、「こういう賞の人選は理解できなくなる一方だ。メッシは歴代で五指に入る選手だと思うが、シーズンの中で誰が際立っていたか考えなければならない」とツイートしている。
レアル・マドリードのドイツ代表MFトニ・クロースは、投票で4位となったチームメートのFWカリム・ベンゼマが受賞すべきだったと主張。「なぜベンゼマじゃないんだ? メッシがクリスティアーノ(・ロナウド)と並んで過去10年間の最高の選手だったことは間違いないが、今年は別のFWになるべきだ」とコメントしている。
また意外にも、メッシの元チームメートであり友人のダニエウ・アウベスもメッシの受賞に異論を唱えた。だが同選手の主張はやや毛色が異なり、「サッカーより命の方が大事だというメッセージを送るべき」という理由により、心臓発作から生還したデンマーク代表MFクリスティアン・エリクセンが受賞すべきだという考えを述べている。
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