「ボールを愛せ」
「ボールを持て、ボールを愛せ、ボールをリスペクトしろ」。5月16日に行われたFC町田ゼルビア戦(今季初黒星となった試合だった)を前に、彼がアルビレックスの選手たちに向けて伝えていたメッセージだ。シーズン終盤を迎えて昇格レースから脱落しようとも、頑なにそのアプローチを貫き続けた。
アルビレックスの直近5試合に目を向けてみれば、何がFC東京の目を引いたのかはっきりと読み取ることができる。例えばファジアーノ岡山と1-1で引き分けた10月31日の試合では、アルビレックスは65%のボールを支配し、パス本数714本、成功率86%を記録していた。ファイナルサードでは14本のシュートを放ち、そのうち5本が枠内。その後の4試合でも同じような数字が記録された。
ジュビロ磐田戦(0-1)は保持率57%、パス657本(成功率90%)、シュート8本、枠内5本。松本山雅FC戦(1-1)は保持率67%、パス627本(成功率85%)、シュート17本、枠内5本。愛媛FC戦(2-0)は保持率62%、パス632本(成功率82%)、シュート16本、枠内9本。ザスパクサツ群馬戦(0-0)は保持率73%、パス721本(成功率86%)、シュート12本、枠内9本。
高いボール保持率を結果に繋げきれていないのは明白だとしても、アルビレックスは今季40試合で60ゴールを記録している。これは今週末の試合前の時点でJ2第5位の得点数。ピッチの反対側でも悪くない水準を満たしており、37失点という数字もリーグ5番目の少なさとなっている。