少ないチャンスをものにしたが…
前半はいつシティが先制してもおかしくない展開だったが50分、PSGの強力3トップがそのクオリティを見せつけた。
ネイマール、メッシ、アンデル・エレーラの細かい連係で左サイドからチャンスを作り、ハーフスペースに侵入したメッシが中央に折り返すと、ボールは相手DFに当たり逆サイドにいるフリーのムバッペの下へ。これを冷静に流し込みPSGが先制に成功した。
試合を支配しながらも、PSGの前線の圧倒的なクオリティを前に先制点を許したシティ。この試合ではベルナルド・シウバの0トップのシステムを採用していたが、ジョゼップ・グアルディオラ監督は54分にガブリエウ・ジェズス投入を決断する。
この采配が功を奏して63分、76分と2ゴールにジェズスが絡み、シティが逆転に成功する。いずれのゴールも背後に抜け出した選手へ素晴らしいボールが渡り、それを中央にダイレクトで折り返して、後はフリーの選手が押し込むだけというシティらしい「完璧に崩した」ゴールだった。
PSGにとって痛恨だったのが、前半からハードワークを続けていたアンデル・エレーラとイドリッサ・ゲイェの両インサイドハーフの後半途中の交代だ。エレーラは1失点目を喫する直前の61分に負傷により交代、ゲイェは足が攣り67分に交代している。
本来、このポジションにはマルコ・ヴェラッティやジョルジニオ・ワイナルドゥムといった彼ら同様に中盤でハードワークができる選手が揃っているのだが、今節は不運にも2選手とも負傷によりベンチ外に。
代わりに投入されたのが運動量の多くないダニーロ・ペレイラと、守備をするキャラクターではないアンヘル・ディ・マリアの2選手だった。PSGの強力3トップがハイプレスを行わない代わりに、PSGでは中盤のハードワークが必須なのだが、途中投入された2選手はシティのパス回しに対して厳しいチェックを行うことができず、立て続けに2失点を喫してしまった。
対するシティは精度の高いハイプレスを維持するためにガブリエウ・ジェズス以外の交代を行わなかった。逆にPSGは代わりとなる選手がいないにも関わらず、交代を余儀なくされてしまったことが試合の命運を分けたと言っても良いだろう。
試合はこのまま終了し、ホームのマンチェスター・シティが2-1で勝利。グループステージ首位通過を決めた。敗れたPSGも同時キックオフだったクラブ・ブルージュが敗戦したため、グループ2位での決勝トーナメント進出を決めている。
PSGのポチェッティーノ監督は、試合に敗戦したこと自体に対しては落胆のコメントを残したが、「最も大事なことはグループリーグを突破することだ」と、グループステージ全体での結果には満足していた。