【写真提供:JFA】
【日本 1-0 オマーン カタールW杯アジア最終予選】
カタールワールドカップのアジア最終予選第6戦が現地16日に行われ、日本代表はオマーン代表に1-0で勝利を収めた。
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FW古橋亨梧はこの試合でも途中出場し、最前線に配置された。日本代表ではこれまでサイドでの起用が多かったが、最近は1トップや2トップの一角で使われることも増えてきている。所属クラブでも1トップでゴールを量産しているだけに、さらなる活躍への期待は高まるばかりだ。
森保一監督も最前線での起用に踏み切った理由を「所属クラブで一番、あのポジションで輝いている」と説明した。
「前線のポジションであればどこでもできるとは思いますけど、やはりトップで背後に抜け出す動き、クロスから相手の視野から消えて決める動き、トップで起点になることも彼はできますし、普段のプレーを見て、我々のチームにも生かそうということがまず理由として1つあります」
古橋自身も最前線でのプレーについて「セルティックでは1トップとしてずっと試合に出させていただいているので、今はFWの方が僕の中ではやりやすいポジションかな、一番いいポジションかなと個人的には思っています」と語っていた。
ようやく日本代表でも古橋の特徴と森保監督の起用法が噛み合ってきた感がある。「よりゴールに近いところで、より駆け引きしやすいポジションで今はやらせてもらっていて、それはすごく今は居心地がよくて、結果も出せている部分もあります」と、26歳のストライカーは語る。
指揮官によれば、古橋をサイドで使っていたのにはしっかりと理由があったという。だが、その理由も徐々になくなりつつあり、1トップでのプレーを得意とするストライカー気質の強い選手をサイドに置く必要性も薄くなってきたようだ。
「彼のサイドでのプレーというものも、我々のチームの中で生かしていけると思いますが、サイドで今力を発揮してくれている、チームの中で機能して貢献してくれる選手たちが出てきていますので、そういった兼ね合いも含めて、トップで起用することが多いです」
オマーン戦後の取材の中で、森保監督は改めて古橋をサイドで重用していた理由を説明していた。
セルティックのアンジェ・ポステコグルー監督も、古橋のサイド起用については「キョウゴは中央でプレーする方が相手にとってはるかに脅威を与えられる。正直に言えば、彼を中央で起用すべきだったと思う」と悔いていた。ようやく所属クラブと代表での役割がシンクロしてきた形だ。
ストライカーポジションでプレーする時間が増えてきたことで古橋自身も充実感を覚えている。そして、「まだまだ成長段階の途中だと思うので、高みを目指して努力して、もっともっと日本のサッカーを救えるような選手になりたい」と、日本代表でのさらなる活躍を誓った。
「裏を狙うだけじゃなくて、(攻撃の)作りの部分でも間でスペースを見つけて、ボールを引き出して、(パスを)はたくこともやっていかなければいけないなと思っていますし、それはセルティックでも少しずつ、徐々に周りの選手を見ながらやっていっています。
できなかったことにトライして、この代表でもやっていけたらなと思っています。結果に関してはあと少しのところだなと。やっぱり今はFWで、ゴールに近いところでプレーさせてもらっているので、もっと相手と駆け引きして、隙あらば裏を狙う、隙あらばスペースを作ってシュートのスペースを作るというのは、もっともっとやっていかなければいけないなと思います」
最近は1トップで不動の存在だったFW大迫勇也がやや低調で、古橋にはポジションを奪う絶好の機会が訪れている。オマーン戦を終えて「たくさんの人に応援してもらえているので、本当に感謝していますし、だからこそ、今日の勝利で少しでもいい報告ができたんじゃないかな」と安堵しつつも、さらなるステップアップへの強い意欲を口にした。
「選手を選ぶのは監督であって、僕はアピールしていくだけだと思うので、自分にプレッシャーをかけながら、プレッシャーを楽しみながらやります」
定位置奪取に向けて「目に見える結果を取り続けることでポジションを奪える」と自覚する古橋は、これからどんな成長曲線を描いていくだろうか。セルティックでゴール量産を続け、2ヶ月後の日本代表合宿ではもっとスケールの大きくなった姿が見られるのを楽しみにしたい。
(取材・文:舩木渉)
【了】