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日本代表 3年前

小野伸二や稲本潤一はもっと若かったが…。サッカー日本代表、ようやく成果が出始めたプランとは…【コラム/W杯アジア最終予選】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

「真の強い集団」になるには?



「今後に関しては、いい経験を積んで、最終予選の中で存在感を発揮してくれている選手たちが何人もいるので、ポジション争いの部分はニュートラルに見て決めていきたい」

 森保監督の発言を踏まえると、最終予選のラスト4戦では若手台頭の流れが一気に加速することも大いに考えられる。今回の11月2連戦ではチームに帯同した上田綺世、前田大然、旗手怜央の東京世代3人衆が続けてベンチ外となったが、彼らも2022年以降は大迫や長友、柴崎岳らを押しのけるだけのポテンシャルは大いにあるからだ。

 彼らを有効活用してこそ、森保監督は東京五輪とA代表の兼任で指揮した意味がある。コロナ禍に突入した2020年以降は実際の指導を横内昭展コーチに任せていたものの、もともとはこの世代を一番よく知るのが森保監督だ。であれば、彼らをもっと信頼していいはずだ。10・11月の最終予選でその布石を打ったのだから、2022年以降は本当にフラットな目線で勝てる人材を選ぶべき。そうなってこそ、真の強い集団が生まれるのだ。

 思い起こせば、五輪世代とA代表を兼任していたフィリップ・トルシエ監督は98年の就任時から小野伸二や稲本潤一らU-20世代の非凡な才能に着目。4年がかりでワールドユース(U-20ワールドカップ)、シドニー五輪を経験させ、A代表の主力に育て上げた。日韓大会の時の彼らは22~23歳。今の三笘や中山より若かったのだ。

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