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4-3-3? 4-2-3-1? 柴崎岳がサッカー日本代表の“システム論”に警鐘「一番大事なのは…」【W杯アジア最終予選】

text by 編集部 photo by JFA

柴崎岳
【写真提供:JFA】



 日本代表は現地16日に行われるカタールワールドカップのアジア最終予選でオマーン代表と対戦する。

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 9月にホームで対戦した際は0-1で日本が敗戦。ワールドカップ予選突破のためにも、そして日本サッカーの未来のためにも同じ相手に2度も負けるわけにはいかない。

 15日にオンラインで取材に応じたMF柴崎岳は「オマーン戦で上位との勝ち点が縮まってきますし、ここで自分たちがどういう結果を持ち帰るかによって、1月や3月に自分たちが迎える状況がだいぶ変わってくる。重要な一戦になりますし、本当に勝つだけですね」と勝利への意気込みを語った。

 日本代表は10月にオーストラリア代表を下し、11月11日に行われたベトナム代表戦も1-0で制して2連勝中。ベースとなるシステムを従来の4-2-3-1から4-3-3へ変更しての連勝ということもあって、最近の各選手に対する取材では新システムでの戦い方に関する話題が多くなっている。

 しかし、柴崎はそうした「システム論」に一石を投じる。試合開始時の選手の配置を表す数字の組み合わせにとらわれるべきではない、と。

「システム意識が強すぎると、やっぱり柔軟性がない。自分たちがどういうポジショニングを取っていくか。(相手を)上回ってこその変化だと思うので。4-3-3だろうと4-2-3-1だろうと、誰が前に出て、誰が下がったりするのか、誰が(マークに)ついて、誰がスペースを埋めるのかを試合の中で変化させていくことが大事になると思うので」

 柴崎自身、日本代表のシステムが4-3-3を基本とするようになってからは前から2列目のインサイドハーフとしての途中出場が続いている。これまでは4-2-3-1のダブルボランチを主戦場としていたため、初期配置ではよりゴールの近くでプレーできるようになっているところだ。その中で、自らに求められるプレーの変化も感じている。

「ポジションが前目ということもありますし、ビルドアップや組み立てよりはフィニッシュのシーンでの自分の良さを出す、シュートやラストパス、その1つ前のパスという、どちらかというとゲームメーカーよりはフィニッシャーだったり、ラストパスを供給する役割を意識してやっているところです」

 ただ、これはあくまで「4-3-3」という形の中に自分を当てはめた際、インサイドハーフの選手が求められる役割としては一般的なもの。試合の中で相手を上回っていくには、「数字」にとらわれないプレーが重要になってくる。

「試合になってみないと、相手はどう入ってくるかわからないので。現時点でこうすればこうできるという自信を持つ必要もないと思います。ある程度は自分たちでイメージやアイディアを持ちながらも、一番大事なのは試合に入ったときに相手を見ながら自分たちで選択していくことだと思います」

 柴崎は、完封負けを喫した9月のオマーン戦で「曖昧になっていた部分に僕らが対応できなかったのは、僕らのせい」とも語る。そのうえで「もうちょっと(各選手の)役割をはっきりさせて、あとは自分たちである程度思い切って、システムだけにとらわれないポジショニングを意識しないといけないと思います」と強調した。

 オマーン代表は3人のセントラルMFの前にトップ下を配置する4-3-1-2をベースに戦ってくるチームで、前回対戦時はそのトップ下の流動的な動きなどを捕まえ切れなかった。攻撃面でも相手の強固な守備ブロックを崩し切れずに無得点。ならば今回は日本対策を上回る意外性や、相手の想定を上回るプレーがゴールを奪う上での鍵だ。

 今月11日のベトナム代表戦で今予選2枚目のイエローカードを提示されたMF守田英正が出場停止のため、オマーン戦ではスタメンに必ず変化があるはず。4-3-3を継続採用するなら、守田の代わりに柴崎というのは有力な選択肢だろう。

 出番を得た時に柴崎は何を見せてくれるだろうか。言葉通り、相手を見たうえでのシステムにとらわれない動きで勝利に貢献してくれることを期待したい。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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