拙攻が続く日本代表
そして17分には、冨安健洋が相手GKのロングフィードを跳ね返したのをきっかけに、大迫勇也がタメを作る。展開した南野が左サイドからゴール前に向かって大胆な仕掛けで敵を剥がし、中へ折り返す。
そこに走り込んだのが、スピードスターの伊東純也。「拓実がうまく裏に抜けたので、とにかく相手の前に入って速いボールがほしいと思ったら、ちょうどいいボールが来たので、あとは押し込むだけでした」と言うように、確実に押し込み、早い段階で先制点を手に入れることに成功した。
これで安堵した日本代表はその後も積極果敢に2点目を取りに行く。だが、30分に守田英正の決定機でシュートが外れ、35分には遠藤航のスルーパスに抜け出した伊東がオフサイドに引っかかる。
相手のFKからの逆襲で伊東が持ち込んで、豪快に決めきった40分のシーンは、今度こそ決まったと思われたが、VAR介入とオンフィールドレビューによって取り消されてしまった。本人は「まあしょうがない」と淡々としていたが、念願の追加点を失った日本代表にとってはショックが大きかった。
後半に入ってからも拙攻は続いた。とりわけ気がかりだったのがリスタートの迫力不足だった。吉田も試合前日に「デザインした形のショートコーナーだったり、コンビプレーで結構崩れやすい」と工夫の必要性を口にしており、限られた時間の中で最大限の準備をしてきたはずだったが、ターゲットにうまく合わず。キッカーを務めた田中碧のボールがやや低めに行っていたのも災いし、得点に至らなかった。