【写真:Getty Images】
日本代表は8日からベトナムで11月シリーズの2連戦に向けた合宿を開始した。
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今回は11日にベトナム代表と、16日にオマーン代表と、いずれもアウェイで対戦予定になっている。コロナ禍で活動期間中の追加招集も難しいことから、日本代表には28人が招集されている。カタールワールドカップのアジア最終予選でのベンチ入りは23人までのため、フィールドプレーヤーから5人がベンチ外になる予定だ。
これまでの合宿よりも多めに招集したこともあり、代表経験の浅いフレッシュな選手たちがチームに加わっている。2019年のコパ・アメリカ以来の日本代表復帰となったFW前田大然も、実質的な新戦力と言えるだろう。
「しっかりチームで結果を残して代表にきたので、コンディションはすごくいいかなと」
横浜F・マリノスの一員としてJ1リーグ戦で21得点を挙げ、得点ランキングでは現在首位に立つ。今季はリーグ戦で2度のハットトリックを達成するなど、チームの得点源としてキャリア最高の活躍ぶりで待望の日本代表入りとなった。
今夏の東京五輪ではU-24日本代表として戦ったが、満足な出場機会を得られず不完全燃焼に終わった。大会中にFW陣がなかなかゴールを奪えなかったことにも責任を感じ、前田は「五輪で僕含めて攻撃陣が全然点を取れなかったので、マリノスに帰ってからゴールの意識が一層強くなりました」と語る。
「(ゴールを)取らないといけないという思いは今までもありましたけど、(東京五輪後に)より一層、強くなったのもありますし、本当にチーム(の助け)があって自分がゴールを取れたと思うんの、いい意識で毎試合臨めていましたし、今はいい状態でいるのかなと思います」
マリノスでは夏に当時チーム内得点王だったFWオナイウ阿道がフランス2部のトゥールーズへ移籍。それにともない前田は「自分が取らないとという思いは強くなったし、自分がチームを引っ張るという思いでやってきた」。精神面の充実は、間違いなくゴールという結果につながっている。
しかし、日本代表でポジションが約束されているわけでない。むしろ最後尾からのスタートで、より経験豊富な先輩たちとの競争を勝ち抜いていかなければいけない立場だ。前田は「スピードの部分では負けないと思っています」と語るものの、「それ以外のところではまだまだ他の選手に勝てると思っていない」と現実を冷静に見つめている。
そして「目に見える結果を残していかないと使われないと思うので、練習からしっかり見える結果を残していけたらいいかなと思います」と、がむしゃらにアピールしていく姿勢を示した。
Jリーグでも猛威を振るう前田の爆発的なスピードは、日本代表でもチームの武器になるはず。似た特徴を持つ選手も多いが、「単純なスピードの部分だったり、そういうスピード(のスプリント)を何回も繰り返せるところは自分の武器」と自覚するだけに攻守両面にわたるハードワークでもアピールしたいところ。
「(アジア最終予選は)もちろん厳しい戦いになっていますし、全試合勝たないといけないと思うので、その中で自分がゴールを取ったり、チャンスメイクしたりしていかないといけないと思っています」
日本代表でもゴールを決めるだけでなく、マリノスでも見せているような猛烈なプレスバックなど守備でもチームを助けられるポテンシャルは秘めている。日々の練習から森保監督に東京五輪後の成長を見せつけて出番を勝ち取れれば、今後のさらなるステップアップのきっかけもつかめるはずだ。
(取材・文:舩木渉)
【了】