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古橋亨梧にもはや敵なし。年間30得点はほぼ確実、あの大レジェンドも激賞「セルティックの成功の大部分はキョウゴ」【コラム】

シリーズ:コラム text by 舩木渉 photo by Getty Images

あのレジェンドも激賞。クラブに勧めるのは…

ケニー・ダルグリッシュ
【写真:Getty Images】



 また、同じく新加入で好連係を築いているFWジョタも「キョウゴが英語を話せないのなら、僕が日本語を勉強する」「彼は僕が見てきた中で、最高の動き出しをしてくれる選手」と古橋に心酔していた。チームメイトたちからの証言を集めるだけでも、古橋がいかに信頼され、プレーの面でも人間性の面でも仲間として受け入れられているのかがよくわかる。

 チームの外部からも古橋を称える声は絶えない。その中でもびっくりしたのは、ケニー・ダルグリッシュ氏のコラムだ。かつてセルティックやリバプールで活躍し、両クラブにおけるレジェンド中のレジェンドとして愛される同氏は、英『サンデー・ポスト』紙でこう述べる。

「セルティックの成功の大部分は、キョウゴ・フルハシによってもたらされている。彼は優れたサッカー選手だ」

 さらに1得点1アシストを記録した今月4日のEL・フェレンツバロシュ戦のパフォーマンスを称賛し、古橋の獲得がすでに期待以上の成果を残しているとダルグリッシュ氏は主張する。

「彼は450万ポンド(約7億円)で買い取ったと思うが、すでに素晴らしい取引になったと言えそうだ。アンジェ(・ポステコグルー監督)はJリーグ時代からキョウゴのことを知っていた。そして、このオーストラリア人は、その地域(日本)の1人か2人の選手にも目をつけていることで知られている。それは完全に理にかなっていると、私は思う。そこ(日本)に掘り出し物があるのは明らかで、セルティックはそれを利用できる可能性を手に入れている」

 おそらくダルグリッシュ氏は、最近各所で報じられているマリノスの前田や、フロンターレのMF旗手怜央に対するセルティックからの関心について触れているのだろう。中村俊輔から始まった同クラブでの日本人選手の歴史は、古橋によって次の章へと進もうとしているのかもしれない。

「もちろん成功というのは、他から羨ましがられる。そして、キョウゴが他クラブのレーダーに捉えられていても、我々は誰も驚かない」

 ダルグリッシュ氏は「セルティックでは、主役がすぐに称賛され、応援される可能性が低いことを誰もが知っているだろう」と述べるが、結局のところ「キョウゴはすごくサッカーを楽しんでいる。彼のプレーの仕方や、得点後のセレブレーションからもそれがよくわかる」と褒め言葉しか出てこない。

 公式戦18試合出場で13得点を挙げてチームを引っ張る活躍により、古橋はセルティックをけん引する存在となった。いまやスコットランドリーグ最高のストライカーと言っても間違いではない。

 向かうところ敵なし。このまま突き進めば、その先には誰も見たことがない景色が広がっているのではないだろうか。

(文:舩木渉)

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